瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第1話・運命の紫禁城

要点・見どころ

1.瓔珞の頭脳 2.無慈悲な紫禁城 

あらすじ

前半・・・女官になるべく紫禁城にやってきた瓔珞。折しもその日は新たな側室を選ぶ“秀女選抜”が行われるため、宮中には名門の令嬢たちが集まっていた。その麗しい姿に新人女官たちは浮足立ってしまい、その中で錦繍に小突かれた吉祥が、弾みでとある令嬢の一張羅に水をかけてしまう。怒った令嬢が跪いて謝罪する吉祥の手を踏みつけるが、誰も助けようとしない。見かねた瓔珞が機転を利かせ、令嬢のご機嫌をとって彼女を助けることに成功する。

後半・・・瓔珞たち新人女官は刺繍試験を受ける。しかし令嬢のせいで手に怪我を負った吉祥が、布を血で汚してしまった。無慈悲な紫禁城では、不器用な女官は容赦なく追放されるだろう。吉祥は幼馴染の玲瓏に助けを求めるが断られ、とうとう泣き出してしまう。またもや見かねた瓔珞は、自分のものと吉祥の布を交換する。そして汚れを隠した見事な刺繍を仕上げ、吉祥との共作だとして提出すると、その発想と技量を褒められて無事に刺繍女官と認められた。

 

 登場人物

魏瓔珞 Wei Yingluo

 吉祥を助けるため機転を利かせ、烏雅に『金蓮歩』の真似をすればきっと寵愛を得られるだろうと話し、ご機嫌をとった。信じて実行した烏雅は追放されてしまったが、果たして織り込み済みだったのか……?

 刺繍試験では、制限時間が迫る中、吉祥の汚れた布で見事な刺繍を仕上げた。嫉妬した女官に不正だと告発されたが、もとから効率のために吉祥と分担して仕上げるつもりだったと説明し、結果としてその発想までもが褒められた。

 他の新人女官たちが華やかな宮中の様子に興味津々な中、一人だけ無関心。

 

吉祥 Ji xiang

 錦繍に小突かれて手に持っていた桶を落とし、烏雅の衣の裾に水をかけてしまう。一生懸命謝ったものの罰と称して手を踏まれ、怪我を負ってしまった。その後の刺繍試験で痛みに耐えながら刺繍したが、血で布を汚してまたも瓔珞に助けてもらった。

 

錦繍 Jin xiu

 自分のせいで吉祥が怪我を負っても助けようとせず、代わりに助けて呉総管たちに褒められた瓔珞を敵視する。

 

玲瓏 Ling long

 吉祥とは幼馴染だが、自分のことで手一杯だと言って助けようとしなかった。

 

方女官 Fang gugu

 新人女官たちに、尊い紫禁城を気安くあちこち眺めるんじゃないと叱った。一張羅に水をかけられて憤る烏雅に、新人のため容赦してくれと頼んだものの、聞き入れられないとそのまま黙ってしまった。

 

烏雅青黛 Uya Qingdai

 秀女選抜の最終選抜まで残った名門の令嬢。遠く江南から取り寄せた一張羅を汚され、吉祥の手を罰と称して踏みつけた。瓔珞から『金蓮歩』の逸話を聞き、信じて実行したが、乾隆帝の怒りを買って追放された。

 

納蘭淳雪 Nalan Chunxue

 烏雅の取り巻きだったが、秀女選抜で満州族の風習である三つのピアスをしている理由を「祖先を忘れないため」と説明したことを評価され、烏雅を差し置いて合格した。

 

陸晩晩 Lu Wanwan

 烏雅や納蘭と一緒にいたが、吉祥を許すように勧めるなど、心根は彼女たちと違って優しいようだ。秀女選抜では、自分の番の直前で乾隆帝が執務に戻ってしまったため、皇后に審査されることになった。

 

富察皇后 Fucha huanghou

 穏やかで高貴妃の嫌味にも憤らず、慈悲深い性格で乾隆帝を怒らせた烏雅を助けようとした。寵愛を一身に受けているが、三年前に我が子を亡くして以来、皇后としての責務に消極的。

 

明玉 Ming yu

 皇后の侍女。皇后のことは大切に思っているが、短絡的で思ったことをすぐに口に出してしまう。

 

爾晴 Er qing

 皇后の侍女。心労の絶えない皇后を気遣い、短絡的な明玉をたしなめる。

 

高貴妃 Gao guifei

 寵愛を一身に受ける皇后に嫉妬し、嫌味を言うなど不遜な態度をとる。乾隆帝から『宮訓図』が贈られると、皇后を敵視していることに対する忠告だと受け取って激怒した。

 

乾隆帝

 富察皇后を寵愛し、高貴妃にはそっけない。秀女選抜では気に入らない女性を容赦なく不合格にした挙句、途中で執務に戻ってしまった。後宮の派閥争いを疎み、妃嬪たちを大人しくさせようと『宮訓図』を贈った。

 

李玉 Li yu

 乾隆帝のお世話係。乾隆帝に、なぜ妃嬪たちに『宮訓図』を贈ったのか真意を尋ねた。

 

張女官 Zhang momo

 呉総管から瓔珞の刺繍を見せられ、一番の出来だと感嘆した。

 

呉総管 Wu zongguan

 新しい刺繍女官たちの様子を見にやってきて、それぞれの刺繍を評価した。瓔珞と吉祥を告発した女官を、「口よりも手を動かすべきだ」と言って追放した。

 

嘉嬪 Jia pin

 宮訓図が贈られてきて怒る高貴妃に、「ただの陛下の思い付きだ」と言ってなだめた。

 

嫻妃 Xian fei

 慎ましやかで寵愛を争わないため、出世していないことを実母から責められている。

 

純妃 Chun fei

 風邪を引いたため、夜伽に召されるのを待つ妃嬪たちの集まりに姿を現さず、高貴妃に「一年の半分は病床に臥せっている」と揶揄された。

 

怡嬪 Yi pin

 仲が良い愉貴人がそばにいないことを高貴妃に疑われ、彼女は体調不良だとしどろもどろに説明した。

 

豆知識

包衣

 簡単に言ってしまえば、奴隷身分。清朝には“八旗”という身分制度があり、その八旗に所属する人々の中で最下位の身分。

 

秀女選抜

 新たに後宮に入る側室候補を選ぶ試験。清朝では3年ごとに行われ、名門の令嬢でなければ受験できない。合格すると名前の書かれた牌を残してもらえ、不合格の場合は花を賜って帰宅する。烏雅氏は著しく乾隆帝の不興を買って追放された挙句、父親ともども罰せられることとなった。

 

金蓮歩(きんれんぽ)

 南斉時代、蕭宝巻(しょうほうかん)という皇帝は、黄金で作った蓮の花を敷き詰めた道を寵愛していた側室の潘玉児(はんぎょくじ)に歩かせ、その美しさに酔いしれたという。

 瓔珞は烏雅氏の靴底に蓮の切り込みがあると気づき(吉祥の血が跡になっていた?)、その切り込みに香粉(香り袋の中身。粉末状の香料)をすり込み、歩くと地面に花の形として残るという仕掛けを施した。こうして皇帝に愛された潘玉児を真似すれば、きっと同じように寵愛を得られるだろうと説き、烏雅氏のご機嫌をとって吉祥を救った。

 しかし乾隆帝は、皇帝をたぶらかした悪女を真似するような人間を後宮に入れてはならない、として追放しようとした。

 

纏足

 古来中国では足が小さい女性が愛されたため(または満足に歩けないようにして支配するため)に、幼いころに布を巻き付けて無理やり成長をとめて整形した。不衛生で健康的にも悪影響のため、清朝では皇帝が何度も禁止令を出した。しかしよちよち歩く様が可愛らしく、漢民族の風習でありながら満州族の女性も憧れて真似したという。

 烏雅氏も満州族でありながら、その禁止された纏足をしていたため、さらに乾隆帝の逆鱗に触れてしまった(だからこそ、納蘭の“三つのピアス”が評価された?)。

 纏足の足を「金蓮」と呼ぶため、烏雅氏の靴にも蓮の装飾がされていた?

 

儲秀宮(ちょしゅうぐう)chu xiu gong

 高貴妃が住んでいる宮殿。明玉が「儲秀宮のお方たちが喜ぶかも」と言ったのは、皇后が秀女選抜をすっぽかして皇太后に叱られたりすれば、敵対する高貴妃たちが喜んでしまうでしょう、という意味?

 

宮訓図

 乾隆帝が皇后をはじめとする宮殿に住む妃嬪たちに贈った絵。歴代の良妻賢母を描いていて、史実でも贈っているらしい。『瓔珞』では、派閥争いなど無駄な騒ぎを起こす暇を与えないよう、宮訓図を贈って妃たちにその意図を考えさせた。

 長春宮に住む富察皇后の元へは、「太姒、子を諭す」。太姒(たいじ)は周の文王の妃で、勤労で徳が高く、10人もの皇子を産み立派に育て上げた。明玉は同じように立派であれと陛下は期待しているのだと解釈したが、爾晴と皇后は第二皇子を亡くしたショックで皇后の務めを放棄していることを咎めているのだと解釈した。

 儲秀宮に住む高貴妃には、「西陵、蚕を育てる」。西陵氏の娘(嫘祖または累祖)は神話に登場する伝説的な帝である黄帝の妃で、蚕の繭から絹が作れることを発見した“養蚕”の産みの親とされる。高貴妃はこれを「勤勉であれ」という忠告と受け取って怒った。嘉嬪は「他の妃たちにも贈っているので、ただの陛下の思い付きだ」となだめた。

 承乾宮の嫻妃には、「徐妃の直言」。唐の太宗の側室だった徐恵(徐妃)は、生後5か月で言葉を話したという才女。宮殿建設の労役に苦しむ民衆のため、太宗に「民を苦しませないように」と勇敢に直言した。これを嫻妃がどう思ったかはわからないが、20年間も同じ役職に就いている父が出世できるよう、陛下に取り計らいなさいと母に迫られても、「政治には口出しできないし、陛下を困らせる」と言って断った。

 

乾隆帝のウインク

 ヤバイ。

 

線香

 古代では時間を計る際に線香を用いて、「燃え尽きるまで」という単位(?)があった。瓔珞のすごいところは、時間制限が迫る中でも的確にスピーディーに刺繍したところ。

 

両面刺繍

 その名の通り、表からも裏からも見て楽しめる刺繍。繊細な蘇州刺繍の特徴。