『瓔珞』第5話・偽りの妊娠
要点・みどころ
1.錦繍と方女官への報復 2.瓔珞が姉の死の真相に近付く
あらすじ
前半・・・玲瓏に陥れられ、高貴妃の元に連行されてしまった瓔珞。しかし、呼び出された時点でその策略を見抜いていた彼女は、狂人を装って高貴妃が食べていた葛団子を暴食し、呆れさせて難を逃れた。繍坊に戻り玲瓏に灸をすえたものの、今度は錦繍が「瓔珞には情夫がいる」と噂を広める。実際に、方女官に命じられて監視していた錦繍は怪しい行動を目撃することになる。決定的な証拠こそ掴めなかったが、3ヶ月後、ついに錦繍は瓔珞の腹が膨れていることに気がついた。
後半・・・錦繍と方女官は、瓔珞が侍衛と密通して身ごもったと告発。それを受けて呉総管は繍坊の女官を集め、その面前で罪を問いただした。しかし瓔珞は臆することなく事実無根だと主張し、逆に名節を汚されたと訴える。そこで経験豊富な厳女官が彼女の体を調べると、確かに腹は膨れていたがそれが妊娠ではないことは明らかだった。わざと怪しい行動をし、妊娠を偽ったのは瓔珞の策略だったのだ。立場を逆転した瓔珞は、落ちぶれた方女官になぜ姉の遺品を持っていたのか追及する。
登場人物
魏瓔珞
高貴妃に呼び出された時点で事を察知し、頭のおかしい人間を装って高貴妃が詰問してくる前に話をそらした。さらに、演技かどうか試そうと用意された大量の葛団子を喜んで食べてみせ、その場を切り抜けた。ただ、その暴食が祟って胃腸の不調を患う。
侍衛との密通を噂されたが、わざと怪しまれる行動をとり、まさかの妊娠まで偽る。事が大きくなったことで錦繍も方女官も厳罰に処され、後顧の憂いを断ちながら解決した。
取りつく島もなかった方女官と立場を逆転したことに乗じ、なぜ姉に贈ったはずの飾り結びを所持していたか問いただす。しかし方女官は遺品を盗んだだけに過ぎず、姉の死の真相は知らなかったため張女官に確かめるしかなくなった。
高貴妃
瓔珞が演技をしているか見極めようと、大量の葛団子を用意して完食するよう命じるも、あまりに無邪気に喜ぶ姿に嫌気がさして追い出してしまう。嘉嬪が疑うので芝蘭に見張らせるも、やはり演技とは思えない食べっぷりに疑うことをあきらめた。
嘉嬪
瓔珞の言動がどうにも腑に落ちず、高貴妃に用心するように助言する。侍女の阿双にも、「一筋縄ではいかないかもしれない」と話す。
玲瓏
瓔珞に嫉妬し、彼女が高貴妃に殺されるかもしれないと思いながら、芝蘭に秘密を暴露した。しかしその策略を見破られおり、葛団子を無理やり食べさせられ、灸をすえられる。それで恨みをさらに募らせたか、直接的ではなく錦繍を焚きつけたり方女官を密かに手助けして復讐しようとした。
吉祥
夜遅くなっても戻らない瓔珞を心配し、悪口を言う錦繍に怒った。瓔珞が妊娠を疑われると、ただひとりだけ「ありえない」と瓔珞を信用した。
錦繍
高貴妃に呼び出されて中々帰ってこない瓔珞を、「あいびきしているからだ」と言って貶める。その後も噂を広め、真相を突き止めようとする方女官と共謀し、証拠を得ようと瓔珞を監視した。
瓔珞がつわりのような症状で苦しんでいるのを見て妊娠を疑い、着替えの際にそのお腹が膨らんでいるのを目撃して確信、方女官に報告する。呉総管が詰問しようとした場では証人として、「彼女の衣を脱がせればわかる」と話した。しかしそれは瓔珞の罠で、嫉妬から嘘偽りを広めたとして辛者庫に追放された。
方女官
瓔珞が侍衛と密通していると決めつけ、玲瓏や錦繍を使って証拠を掴もうとした。瓔珞が妊娠しているようだと錦繍が報告してきたのを真に受け、呉総管に告発。まんまと瓔珞の罠にハマり、許しを請うも紫禁城からの追放を言い渡されてしまう。
実は瓔珞の姉が殺されたときに金目当てに遺品を盗んでおり、瓔珞が餞別に贈った飾り結びもそこで手に入れていた。しかし事件の真相については「瓔寧は許されない罪を犯した」とだけ話し、疑うなら張女官にも聞くようにと勧めた。
張女官
瓔珞のことを気にかけ、「噂を侮らないで」と警告する。厳女官とともに瓔珞が本当に妊娠しているか調べ、潔白を証明した。以後、追放された方女官に代わって、女官たちを取りまとめる役を担うことになった。
厳女官
30年、宮中で働いているベテラン女官。多くの女官や秀女(側室候補)を見てきたため女性に関して鋭い観察眼を持ち、瓔珞の腹が膨れているのは妊娠ではないと判断した。方女官と錦繍が醜く争うのをやめさせ、一喝した。
呉総管
方女官の告発を受け、女官たちを集めて瓔珞を詰問する。瓔珞の身の潔白が明かされると方女官と錦繍を厳罰に処し、流言を広めた者の末路として見せしめにした。
斉佳慶錫
錦繍をわざと怪しませたい瓔珞に利用され、石ころを手渡されて困惑する。さらに海蘭察からはからかわれ、傅恒からは侍衛の心得を100回そらんじるように命じられた。
富察傅恒
慶錫が瓔珞から何かを手渡されるのを目撃し、横にいた同僚とともに心得を100回そらんじる罰を言い渡した。
海蘭察 Hai lan cha
傅恒と同じ侍衛で親友。慶錫が受け取ったのが石ころだとわかると、“私の心は石のごとし”という拒絶の意味だろうとからかった。(字幕が間違っていた。×海蘭爾 〇海蘭察)
メモ
乾清門(ケンセイモン)
紫禁城の内廷(皇帝や妃たちが生活する私的空間)、つまり後宮の正門。夜は4人の侍衛が見張りをしている。
月華門
乾清宮の西門?有事の際に文武官が皇帝に奏事をする場所?
紫禁城内の男性
門限後に施錠された紫禁城(後宮)には基本的に女官と太監(宦官)、妃たちしかおらず、男性は皇帝ひとりのみ。だが、乾清門の見張りをする4人の侍衛(5日に1回の当直)、月華門の奏事官、2人の侍医は例外。
陶坊
陶磁器を作る機関?瓔珞はここから高嶺土をもらい、服用してお腹を膨らませた。高嶺土は陶磁器の材料になる粘土。主成分のカオリナイトは胃もたれに効く伝統薬でもあるらしいが、下剤にも含まれるらしい? 吸水性が高いらしいので確かに少量でもお腹は膨れそう。
高嶺土を運んでいた男性が壁を向いたのは、間違っても女官と関わってしまわないように?しきたり?
玉潔
方女官のお付きのひとり?
侍衛と女官
密通すれば罪に問われる。しかし、慶錫の隣にいた侍衛は、どうせ女官は年季が明ければ紫禁城を出ていくし、もし気に入ったならば側女にすることもできるのだから構わず付き合ってしまえと言う。そう考えている男も多いのかもしれない。
魚
一般的に川魚が多いため独特な臭みがある。海が少ない中国では肉より魚のほうが高級だと聞いたことがあるけれど???
胃腸薬
張女官もストレスで胃が……?
辛者庫
罪を犯した女官や太監が配属される部署。汚物処理や草取りなど、汚れ仕事や肉体労働を課せられる宮中の刑務所のような場所。
女官の年季
方女官はあと半年で紫禁城を出られたと言っているが、25歳? 厳女官は30年仕えている。本人(あるいは主の)の希望で延期できる? 年季明けのときには慰労金がもらえるらしい。
瓔寧の遺品
なにひとつ瓔珞(魏家)に返ってこなかったが、方女官が瓔寧の貯めていたお金を目当てに盗んで隠し持っていたからだった。阿満が作ったものだと言われていた飾り結びは、実は瓔珞が作って姉に餞別に贈ったもので、気に入ったのか身に着けていた。
数字
なぜか細かい数字がたくさん出てくる回。瓔珞が食べた藕粉丸子の数7杯。施錠後に宮中にいる男性の数7人。瓔珞が姉のために作った中国結びの数12本(その中で一番きれいなものを贈った)。