瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第八話・玉佩の持ち主

要点・みどころ

1.瓔珞が傅恒に近づく

 

あらすじ

前半・・・玲瓏への復讐を果たした瓔珞の次の目的は、もちろん姉の敵討ちだった。長春宮に仕え始めるとさっそく富察傅恒に接触し、玉佩の持ち主だったことを突き止めた。しかし、瓔珞を目の敵にしている明玉に傅恒と話しているところを目撃され、意地悪されるようになる。姉のため決して挫けず真面目に働くも、明玉に讒言されて繍坊に戻されそうになってしまった。しかしその夜、大雨が降ることを予測していた瓔珞は、たったひとりで皇后の大切な花壇を守って信用を得たのだった。

後半・・・高貴妃は瓔珞が自分を欺いたことを根に持ち、長春宮に乗り込んで殺そうとした。しかし皇后は毅然とした態度で高貴妃に立ち向かい、瓔珞を守った。そこで高貴妃は標的を愉貴人とそのお腹の子に切り替える。一方、そういった派閥争いに関わらないと決めている嫻妃は、乾隆帝の体を気遣い針仕事に精を出していた。しかし、実母がただならぬ様子でやってきて、弟が賄賂問題に関わって投獄されたと聞かされる。陛下に懇願して弟を助けてあげて欲しいという母に、清廉潔白でありたい嫻妃は苦悩する。


登場人物

魏瓔珞
 今まで面倒を見てくれた張女官に感謝しつつ、繍坊を離れて長春宮の女官となる。傅恒の近くでわざと大げさに玉佩を落として話しかけてくるように仕向け、確かに玉佩の持ち主だったと突き止める。姉が襲われた御花園で落としたという証言と、律儀な性格の姉が落とし物を持ったままだったという点を重ね、疑惑を強める。
 明玉に言いがかりをつけられ意地悪をされても屈しず、真面目に仕事をこなした。しかし、皇后へ近づく仕事だけは横取りされてしまうため、その姿を見せることができなかった。讒言を信じた皇后に繍坊に戻されてしまいそうになったが、夜中に大雨の中で花壇を守っていたことで信用を取り戻す。さらに自分を無視していた他の女官に生姜湯をつくり、見直される。
 高貴妃に命を狙われても、「顔つきで勝手に愚か者だと思い込んだのだろう」と言ってのけた。皇后に枇杷膏の件を明かし、自分を守ってくれたことに深く感謝する。

 

玲瓏
 80回の杖刑と流刑という予想外に重い罰を受けることになり、瓔珞に助けを求めたが時すでに遅しだった。

 

張女官
 気性の激しい瓔珞が長春宮に異動すれば、きっと面倒に遭うだろうと心配した。

 

富察傅恒
 紛失した玉佩を瓔珞が持っていることを知り、返してもらおうと声をかけた。瓔珞の質問に、不注意で御花園で落としたのだろうと答える。気安く若様と呼んで笑いかける瓔珞を冷たく突き放した。

 

明玉
 身分の低い刺繍女官だった瓔珞を差別し、厳しい態度で接する。傅恒と話していたところを目撃すると言いがかりをつけ、しつこく掃除をさせたり、他の女官たちに無視するように命令した。さらに皇后に近づけさせまいと仕事を奪い、なぜ瓔珞ではないのかと皇后に問われると、彼女がサボっているからだと嘘をついて長春宮から追い出そうとした。瓔珞が大雨が降ると警告するのを意地を張って聞かず、結果として瓔珞を貶めていたことが皇后に露呈してしまう。

 

琥珀Hupo・翡翠Feicui・珍珠Zhenzhu
 長春宮の女官。明玉に命令されて、瓔珞のことを無視した。瓔珞が生姜湯をつくってくれたことで、琥珀以外は瓔珞のことを見直した。

 

爾晴
 瓔珞をやたらに敵視する明玉に、「長春宮で生き残るために賢く振る舞いなさい」と言い聞かせた。大雨の中の瓔珞の姿を見て、何も言わない皇后に代わって明玉を叱りつける。皇后から高貴妃が瓔珞に手を下すべきではない理由を説明しなさいと言われ、奴婢の罪は所属する宮殿の主が裁くしきたりだと即答した。

 

富察皇后
 瓔珞が自分のそばへ来る仕事を明玉がしていることに疑問を持ったが、結局、明玉の言葉を信じて繍坊に戻すことに決める(もしかすると、瓔珞と明玉の相性が悪いのを見抜いて?)。しかし、大雨のなかで花壇を守ってくれた瓔珞を見て、事情をすべて察するとそれを撤回した。
 瓔珞が高貴妃に命を狙われると、正々堂々と立ち向かって守った。なぜ狙われたかを知ると、瓔珞の度胸と賢さに思わず笑いながら、今後も気を付けるようにと忠告した。

 

高貴妃
 愚か者だと思っていた瓔珞が皇后に認められて長春宮に異動したことを聞き、自分を欺いたのだと知った。それを根に持ち瓔珞を殺そうと長春宮に乗り込んだが、しきたりに逆らうことができずに儲秀宮へと帰る。嘉嬪の言葉に乗せられ、瓔珞は捨て置いて愉貴人を狙うことにした。

 

嘉嬪
 第四皇子・永珹の母親。高貴妃に、瓔珞はしょせん奴婢だが、もし愉貴人が世継ぎを産んだら形勢を逆転されて、怡嬪を死に追いやった仕返しをされてしまうとして暗殺を勧める。「それは私のためではなく、自分の子どものためでは?」と問われると動揺した。

 

乾隆帝
 嫻妃が真心をこめて作った靴を履いても心を動かさず、さっさと政務に向かった。重用していた鄂善の着服問題に際し、鄂爾泰と張廷玉を呼び出して詰問する。どちらも先帝の重臣であることから、今回は罪を認めさせて警告するだけにとどめたが、鄂善に関しては見せしめに処刑することにした。

 

嫻妃
 繍坊の衣は着心地を考慮していないと言い、自ら季節に合った衣や靴を作って乾隆帝に贈る。乾隆帝にはその真心が伝わっていないため見返りもなく、侍女の珍児にもやめるように言われるが作り続けようとした。実母に罪を犯した弟を救うように頼まれるが、その性格ゆえに良心が許さず一度は断った。


メモ

富察傅恒の出自

 祖先は建国時に多くの戦功を立て、祖父は戸部尚書(財政を司る機関の最高長官)、伯父は領侍衛内大臣(御前侍衛を指揮する大臣)、父は察哈爾総管(蒙古族の部落の長官)、姉は雍正帝に選ばれた皇后(雍正帝が富察家を訪れた際、まだ9歳だった彼女が書いたという見事な写経を見て感嘆したというエピソード?)。傅恒もまた伴読(官職のひとつ)を勤め、将来の御前大臣と期待されている。

 

月暈(ゲツウン)

 月のまわりに現れる光の環。薄い雲が月にかかったとき、光が雲を形成する氷の結晶を通り抜けるときに屈折して起こる。低気圧の接近で現れることが多く、月暈は雨の前触れという言い伝えが残っている地は多い。

 

油布

 油などを塗料にした防水布。

 

庫房・茶房

 漢字そのまま。倉庫と、お茶を用意する場所。
 乾隆帝がよく飲んでいるフタ付きの茶碗は蓋碗と言う。お茶碗にそのまま茶葉を入れフタをして蒸し、飲むときはフタで茶葉を押さえながら飲む。また、お茶の表面のアクや泡をフタで取り除いたり、茶葉を刺激して味を濃くしたり、フタについた香りを楽しみながら飲むことができる。

 

バラの花

 ヨーロッパの花のイメージが強いが、中国でも原種は唐の時代には存在していた。品種改良を重ね、もっともポピュラーな花の形“剣弁高芯咲き”は中国で生まれ、18世紀~19世紀にヨーロッパに持ち込まれた。

 

高貴妃のネイル

 中国では紀元前から「爪染め」がおこなわれ、遊牧民の女の子でも「爪紅」をしていたという。さらに高貴な身分の人々は薬指と小指の爪を伸ばし、仕事をしなくて良い身分であることの象徴とした。そこから清の妃嬪たちは指甲套(爪カバー)をつけるようになった。

 

皇子

 現段階では第二皇子(皇后の子)と第三皇子が亡くなり、第一皇子と第四皇子(嘉嬪の子)しかいない。皇太子は生まれ順などではなく、皇帝に認められた優秀な子どもが選ばれるため、愉貴人がもしも男の子を産み、乾隆帝に好かれれば十分にチャンスがある。嘉嬪は自分の子どもを守るためにも高貴妃にへつらい、愉貴人を亡き者にしようと企んだ。

 

刑部

 司法を司る機関。

 

遺詔

 皇帝の遺言。雍正帝は腹心だった張廷玉と鄂爾泰を死後、太廟(皇室の祖先を祀る場所)に祀るようにと遺した。

 

領袖(リョウシュウ)

 派閥などの集団のかしら。かつて名臣だった張廷玉と鄂爾泰が高官となり、それぞれ徒党を組んで領袖となり、争いを起こすことを乾隆帝は嫌った。

 

大学士

 官職のひとつ。大臣とほど同等?

 

佐領夫人

 嫻妃の母親のことで、佐領は父親の役職。八旗に所属する旗人300人を1グループ(1ニル)にし、その1ニルを束ねるのが佐領。高官とは言えないのかもしれない。嫻妃の弟は父親が職を用意してくれなかったため、仕方なく鄂善に賄賂を贈って便宜を図ってもらおうとして、投獄されてしまった。

 

兵部尚書

 軍事を司る機関の長。