瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第十四話・盗まれた書

要点・見どころ

1.立ちはだかる身分の差

 

あらすじ

前半・・・瓔珞は皇后の期待に応えるため、書道の練習に励んでいた。そんなある日、慶錫から姉の死の真相がわかったため御花園に来るようにと言われる。さすがの瓔珞も動揺するが、書道の練習で使用した紙が一枚、盗まれていることに気が付く。悪用されていると見抜き、用心して御花園に向かうとやはり罠で、怡親王に慶錫を誘惑したと濡れ衣を着せられてしまう。慶錫は怡親王の命令で、怡親王は嘉貴人の命令で、瓔珞を陥れようとしていたのだ。しかし傅恒の助けもあり、瓔珞は見事に無実を証明する。

後半・・・嘉貴人は息子の第四皇子と引き離されるという罰を受けることになった。しかし、怡親王は皇族であるため罪を許されてしまう。瓔珞は皇后に不満を訴えるが、貴賤の差は容易に埋められるものではない。そんな折、坤寧宮でとある祭祀が行われることを知る。皇帝と臣下が茹でた豚肉を分け合って食べる儀式だが、その肉がたとえ不味くても生茹ででも、食べきらなくては大罪になってしまうという。瓔珞はこの祭祀に目をつけ、肉を配膳する女官のひとりとして儀式に潜入する。


登場人物

魏瓔珞
 皇后の期待に応えるため、毎日欠かさず書道の練習に励んでいた。上達具合がわかるよう練習した紙には番号を振って管理していたが、慶錫に呼び出された日に1枚だけなくなっていることに気づき、間者に盗まれ悪用されていると見抜いた。
 慶錫と怡親王から謂れもない罪を被せられそうになると、皇后の命令で夜来香を採るため御花園にいただけだと主張した。しかし本当はその企みを見抜いて黒幕を探していたと明かし、怡親王たちの真の狙いは皇后を陥れることだろうと乾隆帝に訴え、立場を逆転した。
 皇后から「乾隆帝はあなたの体面を守ってくれた」と言われると反論し、嘉貴人の罰の軽さや怡親王にいたっては罰を免れていることに憤った。のちに怡親王から貴賤の差を思い知れと脅されたが、まったくひるんでいない。
 助けてくれた傅恒にお礼を伝えたが、坤寧宮の祭祀で塩コショウをこっそり使うよう唆し、なにかを企んでいるようだ。

 

富察皇后
 瓔珞が肘をついて文字を書こうとすると、「それは書道ではない」と厳しく指導した。それだけ瓔珞に期待し、正しい礼儀作法を教え込もうとしている。
 瓔珞によって長春宮に間者がいることが暴かれると、その太監を追放した。瓔珞から怡親王が罰を受けていない事に対する不満を聞かされるが、皇族なのだから仕方がないと言い聞かせた。しかし納得しない彼女に、不穏な気配を感じている。
 前回は体調不良のために坤寧宮の祭祀に参加しなかったが、過去には無理をして豚肉を食べてお腹を壊してしまったことがあるらしい。

 

珍珠
 少々そそっかしい性格のようで、瓔珞が書道の練習のために天井から紐をぶら下げていたのを見て勘違いし、あわてて助けを呼んだ。瓔珞が慶錫に呼び出されて上の空でいると、ただひとり心配した。

 

明玉
 皇后から特別に書道を教わっている瓔珞に嫉妬し、「高みに昇りすぎると落ちて死ぬわよ」と警告する。爾晴にも不満をぶつけるが、聞いてもらえなかった。

 

爾晴
 瓔珞に坤寧宮の祭祀について聞かれ、不味い肉でも食べなければ祖先を侮辱した罪になってしまう、と教えた。瓔珞がその祭祀に連れて行って欲しいと言うと、呆れながらも承諾した。

 

慶錫
 怡親王からの命令で瓔珞を御花園におびき出し、侍衛である自分を誘惑した罪をでっち上げようとしたが、太監たちに袋叩きにされる。乾隆帝の前では「振られた腹いせをされた」と主張したが、怡親王から見捨てられそうになると真実を吐いた。結果、侍衛にふさわしくないと罷免させられてしまった。

 

親王
 瓔珞に濡れ衣を着せて始末しようとしたが、乾隆帝の前で分が悪くなると慶錫に罪をなすりつけようとした。それすらも瓔珞に見抜かれると、親友の妹である嘉貴人から瓔珞への報復を頼まれたと白状し、乾隆帝にすがりついて許しを請った。激怒した乾隆帝に激しく罵られたものの許され、後日、瓔珞に出くわすと身分差を盾に脅迫した。

 

乾隆帝
 御花園で傅恒と囲碁を楽しむつもりでいたが、怡親王たちの騒ぎで興を削がれて機嫌を悪くしていた。慶錫が誘惑されていた証拠だとして提出した文のあまりに拙い字を見て、書道を習い始めたばかりの瓔珞が書いたものだと決めつける。しかし彼女が無実を証明し、黒幕は皇后を失脚させようとしていると主張すると激怒し、まず慶錫を罷免、嘉貴人には皇子を引き離す罰を与えた。そして瓔珞にも、100回の書写をするまで寝るなと命令した。しかし怡親王に関しては、面汚しだと激しく罵りながら蹴るという乱暴をしたが、皇族であるという面を考慮して許した。

 

傅恒
 怡親王と慶錫が急接近したのを怪しみ、警戒していた。慶錫が長春宮を監視していることを知ると、その陰謀を阻止するために御花園に乾隆帝を導いて待機し、結果的に瓔珞を助けた。のちに瓔珞に感謝されると、その笑顔にほだされてしまう。坤寧宮の祭祀で塩コショウをこっそり使うように唆されたが……?

 

李玉
 乾隆帝の命令で儲秀宮に行き、第四皇子を嘉貴人から引き離そうとした。泣いて抵抗する嘉貴人に対しては容赦ない態度だったが、途中で現れた高貴妃に対してはへりくだった態度を見せた。

 

嘉貴人
 息子から引き離される罰を受けることになり、必死に泣き叫んで抵抗した。高貴妃こそ真の黒幕だと明かそうとしたが、本人により阻まれてしまう。

 

高貴妃
 第四皇子が自分の元ではなく嫻妃の元へ移されると聞いて疑問を呈したが、結局は嘉貴人から皇子を引き離して李玉に渡してしまう。それは嘉貴人が息子を取り戻すまで、自分を裏切らせないためだった。

 


メモ

懸腕法
 筆を持つとき、腕やひじを宙に浮かせて文字を書く方法のこと。机などに腕が接しないことで自由に動かせることができる。

 

行燈
 明玉や爾晴たち女官がしていた作業は、たぶん行燈の覆いの紙を交換する作業? 貼ったあとに紙がピンとするように霧吹きで水を吹きかけるので、珍珠たちは口で吹きかけてたのでは。

 

アイロン
 中国では紀元前にはすでにアイロンの原型である火熨があった。

 

蚊連草
 ハーブの一種で、蚊が寄り付かない香りがする。皇后はこの香りが苦手だと瓔珞は言ったが、真実ではないかもしれない。

 

夜来香(イエライシャン)
 中国南部が原産のツル性低木。花はその名の通り夜に香りが強くなるため、瓔珞が夜中に御花園に採りにきてもおかしくない。

 

囲碁
 囲碁は古代中国で、皇帝がこどもの教育のために編み出したとか、占いや暦としてうまれたなど、発祥には諸説ある。ただ、紀元前の春秋戦国時代には戦略や政治などのシミュレーションができるボードゲームとして存在し、その人気が広まっていた。

 

宣紙
 書道や水墨画などに使用される、高級な紙。安徽省にあった宣城という地域で、定められた原料を使用して作られた紙しか名乗ることができない。

 

薄葉紙(うすようし)
 非常に薄い紙のこと。チリ紙。瓔珞はもったいないからとこの紙を使用していたが、怡親王たちが瓔珞の書いたものだと主張した文は上質な宣紙だったため、偽物とばれた。

 

傅恒と乾隆帝
 傅恒が瓔珞をかばおう?としたときの乾隆帝の、少し驚いたような目……。

 

十三皇叔
 先代の鉄帽子王。先帝に功績を認められ、その称号を授かった。

 

礼部尚書
 儀式や祭祀を司る機関の長官。嘉貴人の兄で、怡親王の親友でもある金簡がこの役職に就いているらしい。

 

傅恒のウインク
 ウインクではなくただの目配せかもしれないけど、「ウインクしようとしたけど上手くできなかった」に1票。かわいい。「小爷,谢谢你❤」

 

坤寧宮
 明の時代に皇后の寝室として使われていたが火災に遭い、順治帝の時代に再建された後は祭祀を行う場となった。

 

吃肉分福 chi rou fen fu
 満州族が信仰していたシャーマニズムに則って行われていた祭祀。供物として捧げられた豚肉(=胙zuo肉)を皇帝が自ら切り分け、“福を分ける”という意味で臣下たちに分け与える。祖先を敬うための儀式だが、豚肉はただ茹でてあるだけで味はしないし、生茹での場合もあったという。贅沢な食事に慣れた地位の高い人間ほど、苦痛の儀式だったらしい。