瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第十五話・胸に刺した匕首

要点・見どころ

1.傅恒の変化 2.嘉貴人の失脚

 

あらすじ

前半・・・瓔珞は祭祀を利用して怡親王に復讐した。同時に傅恒をも陥れようとしたが、それは失敗に終わる。いよいよ傅恒も瓔珞の敵意を確信するが、自分は潔白であると告げる。中々疑惑を解かない瓔珞に彼は、「信じられないならば殺せ」と匕首を手渡した。その覚悟に動揺した瓔珞は、彼の胸に匕首を浅く突き刺すことしかできなかった。それだけでも大罪だったが、傅恒は瓔珞の信用を得るために鍛錬中に負った怪我だと偽った。その誠実な想いを知るうちに、瓔珞は彼を疑うことができなくなる。

後半・・・罪を犯した嘉貴人の代わりに、彼女の息子・第四皇子を育てることになった嫻妃は、真心を持って世話をしていた。しかしある日、皇子が高熱を出してしまう。嘉貴人は嫻妃に責があると訴え、乾隆帝に皇子を自分の元へ戻して欲しいとすがりついた。嫻妃は反論しなかったが、薬理に明るい純妃により、皇子の体調不良は故意的な原因によるものだと発覚する。それはもちろん嘉貴人の策略だった。実の息子をわざと病気にするという非道な行いに乾隆帝は激怒し、嘉貴人はとうとう冷宮送りにされる。

 

登場人物

魏瓔珞
 皇族だからと罰を免れた怡親王に復讐するため、祭祀の肉をひそかに塩で味付けし、それを密告することで報復した。そのついでに傅恒も陥れるつもりだったが、彼が塩を使わなかったために失敗に終わる。ついに傅恒に悟られたとわかると、堂々と姉を辱めたのだろうと追及する。しかし匕首を手渡されると動揺し、胸に浅く突き刺すだけで逃げ出してしまった。
 傅恒が皇后に告発し、長春宮を追われると覚悟していたが、皇后からは怡親王を陥れたことに対して説教されるだけで、思わず驚く。傅恒の見舞いを頼まれると素直に向かったが、無愛想な態度を見せる。しかし、改めて向き合って話をすることで、一旦は彼を信じることにした。

 

親王(愛新覚羅弘暁)
 瓔珞によって、福分けの肉をひそかに味付けて祖先と神を冒涜したという罪を着せられ、宗人府へ更迭された。

 

呉総管
 坤寧宮の祭祀で誰かが塩を使っているという(瓔珞の?)告発を、乾隆帝に報告する。乾隆帝の命令を受けて、太監たちを使ってその不届き者を探した。

 

傅恒
 坤寧宮の祭祀で塩胡椒を使うよう瓔珞に唆されたが、「祖先に背かないために」使わなかった。怡親王が罰せられると瓔珞の仕業だと見抜き、自分も陥れようとした真意を追及する。姉の仇であると疑われていることを知ると、潔白を訴え、「信じられないならば殺せ」と匕首を手渡した。それで刺されても教練中の不注意による怪我だと偽り、瓔珞を告発しないことで改めて潔白を主張した。
 最初から瓔珞が馴れ馴れしくしてくるのには裏があると気が付いていたが、雪球を匿っていた優しさを知ってから惹かれ始めたことを明かす。姉の仇ではないとわかると途端に無愛想になった彼女に対し、それはあまりに無情だと訴えた。

 

海蘭察
 坤寧宮の祭祀では、怡親王が屋内で平然と参加していることに嫌味を言った。さらに肉に味付けしていないか調べようとする太監たちに、一度は反抗した。おちゃらけているようで、意外とプライドが高い性格?
 傅恒が怪我をしたと知ると怪しんで仇をとるなどと言ったり、瓔珞がお見舞いにやってくると気を利かせて席を外すなど、彼のことを心から親友だと思っている様子。しかし、せっかく良い雰囲気だったところへ乱入してからかってみたり、傅恒にとっては悪友かもしれない。

 

富察皇后
 怡親王を陥れたのは瓔珞だと見抜き、呼び出して説教するも、本当は自分も彼に一矢報いたいと考えていた。他人の罪を執念深く許さない瓔珞に、それでは生きづらかろうと「一歩譲れば道が開ける」と説き、“寛容”と100回書く罰を与えた。

 

明玉
 怒っている皇后が瓔珞を呼び出したので、いよいよ彼女が痛い目みるのだと思っていたが、結局お説教と軽い罰だけで済まされたので不満を言った。瓔珞が傅恒のお見舞いを命じられると自分が行くと主張したが、いつも長居をしてしまうらしく却下されてしまった。

 

爾晴
 皇后が瓔珞を「痩せてるくせに肝っ玉だけは大きい」と表現したことに思わず吹き出し、怡親王を陥れたことに対して本当はそれほど怒っていないことを悟った。

 

乾隆帝
 怡親王が福分けの肉を味付けていると知ると、祖先を敬う神聖な儀式を蔑ろにしたと激怒し、ほかにもそんな不届き者がいないか調べさせた。瓔珞によれば、過去にもこっそり塩を使っていた大臣はおり、そうした者たちへ堂々と教訓を示せる良い機会だと喜んでいただろうという。
 第四皇子が高熱を出したと聞いてか、高貴妃とともに承乾宮を訪れ、嘉貴人から皇子を儲秀宮に戻して欲しいという訴えを聞く。情に訴えられ、嫻妃も反論しなかったことでそれを承諾しようかというとき、現れた純妃によって嘉貴人の謀略が暴かれると、激怒して厳罰を下した。高貴妃が自分が引き取ると言うのを聞かず、引き続き第四皇子は嫻妃に預けると宣言した。

 

嫻妃
 たとえ悪者扱いされても、第四皇子を真心こめて世話していた。皇子が体調を崩すと何度も侍医を呼んだり、夜遅くまで看病するなど心を砕いた。しかし容体が悪化して嘉貴人に責められると、自分の責任だとして反論もしなかった。

 

珍児
 優しい嫻妃に代わって、第四皇子を懸命に世話しているのに報われないことに対して憤った。

 

嘉貴人
 自らが犯した罪による罰で息子と引き離されたにも関わらず、あちこちで嘆き悲しんで周囲の同情を誘っていた。三日とあけず承乾宮を訪れて息子の様子を見ていたが、自分のもとに取り戻すため、乳母に命じてわざと厚着をさせるなどして体調を崩させていた。それが露呈すると、乾隆帝から答応への降格と北三所への幽閉を言い渡されてしまう。

 

高貴妃
 乾隆帝とともに承乾宮を訪れ、嘉貴人と第四皇子に同情したふりをして、皇子を儲秀宮に戻すように口添えする。しかし嘉貴人の謀略が暴かれると彼女を見捨てた挙句、「自分が育てる」と乾隆帝に進言した。それを退けられると純妃に嫌味を言った。

 

純妃
 張院判とともに承乾宮を訪れる。第四皇子の症状に不審点をあげ、嘉貴人がわざと病気にしたことを暴いた。高貴妃が「嫻妃は子育ての経験がないから……」と言うと、経験はなくとも学ぶことはできると反論した。

 


メモ

宗人府
 皇族や皇室の管理事務を担う機関。

 

甘草
 様々な症状を緩和する、漢方において基礎的な薬草として扱われる。文字通り甘いため、嫻妃は第四皇子が好むようにこれを多めにしようとしたのでは。

 


 野菜や肉をいれた熱い汁物。

 

重湯
 多量の水で煮詰めた粥の上澄み液。

 

答応
 側室の実質的な最下位。場合によっては太監にも頭を下げなくてはならないほど、低い身分となる。

 

北三所
 冷宮(罪を犯したり寵愛を失った側室が幽閉される宮殿)のひとつ。