瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第十八話・涙の舞

要点・みどころ

1.葉天士、初登場 2.高貴妃の身の上

 

あらすじ

前半・・・乾隆帝は名医・葉天士を呼び寄せ、第五皇子を診察させた。すると葉天士は皇子の瞳は治療すれば治ると診断し、皇子も愉貴人も命を救われた。しかし高貴妃の暴挙も、単なる早とちりだったと許されてしまう。そこに純妃が駆けつけ、愉貴人の食事を担当していた料理人が、高貴妃の名を記した遺書を遺して自害したことを報告する。瓔珞も違和感を覚えたものの、産前の愉貴人の異様な食生活を明かす。乾隆帝は高貴妃が初めから皇子殺害を画策していたと判断し、儲秀宮に軟禁することを決めた。

後半・・・第五皇子は病も治り永琪と名付けられ、愉貴人は皇子を産んだ功を評価されて愉嬪に昇格した。その一方で高貴妃は落ちぶれて気力を失っており、心配した父親が儲秀宮を訪れる。父親は妹たちも後宮に入れるよう奮起せよと喝を入れる。しかしその妹は高貴妃にとっては憎い継母の娘であり、父親でさえ実母を死に至らしめた憎い存在だった。異母妹に地位を奪われないために、高貴妃は憎しみを糧に再び立ち上がる。悲しみの舞を舞い、歌声に惹かれてやってきた乾隆帝に身の上を明かして同情を誘う。


登場人物

魏瓔珞
 葉天士のおかげで愉貴人と第五皇子を守ることができ、安堵した。純妃が自害した料理人の遺書を持って高貴妃を告発すると、産前の愉貴人が異様に甘いものを欲していたことを乾隆帝に明かす。おかげで高貴妃は軟禁されることになったが、これは純妃が高貴妃を陥れるための策略だったと見抜く。罪のない皇子を権力争いに巻き込むことを許さず、純妃に善良を貫こうとすればいずれ命を落とすと警告されるが、耳を貸さなかった。

 

葉天士 Ye Tianshi
 どんな難病も治してしまう名医と言われるが、少々とぼけたところがあって憎めない人柄。乾隆帝に召され、第五皇子を診察した。各地で奇病を診てきた経験を活かし、皇子の瞳孔まで黄色いのは病理的な黄疸で、治療法もあると診断した。また愉貴人が産前に甘いものを異常に食べていたと瓔珞が話すと、おそらくそれが黄疸の原因だったと推察した。

 

劉侍医
 先祖三代医者の家系のため、豊富な知識をもって葉天士の診断に異議を唱えたが、経験不足を指摘された。(“豊富な知識”で枇杷の若葉に毒があると知っていた?)

 

純妃
 愉貴人を担当していた料理人の遺体を乾隆帝の前に運び入れ、自害していたと報告する。遺書を証拠に、高貴妃は愉貴人に甘いものを過剰に食べさせ、産まれた黄疸の子を処分するつもりだったと主張した。しかしそれは高貴妃を陥れるための捏造で、瓔珞に見破られる。善良であろうとする瓔珞に、紫禁城では通用しないと警告した。

 

嫻妃
 乾隆帝に葉天士を呼んで第五皇子を診察してもらっては?と勧めた。さらに瓔珞が皇后の金印について高貴妃を騙した件では、皇子を守るためだったため不問にするよう助言した。

 

明玉
 瓔珞が皇后の金印を勝手に持ち出したと乾隆帝に告発した(瓔珞に嫉妬?)。しかし瓔珞は実際には金印本体には手を付けていなかったため、杖刑50回を言い渡された。それでも頑なに反省せず皇后にも説教され、他の女官たちの目に触れるところで跪く罰を与えられた。

 

富察皇后
 愉貴人と皇子を守った瓔珞を褒め、反省せず瓔珞を悪く言う明玉を叱った。第五皇子の誕生を祝い、乾隆帝に愉貴人の功を評価するよう進言した。

 

愉貴人
 位が低いため息子と引き離されるのではと不安がっていたが、皇后のおかげで愉嬪に昇格し、永和宮の主となることが決まった。

 

高貴妃
 貴妃になる前は舞や歌が好きで、乾隆帝にも気に入られていたという。
 5歳の時に父親を恨む匪賊に実母を殺され、自らも黄河に流された。その後、一年と経たず再婚した父親と自分をいじめた継母、その娘たちを憎んでいる。
 皇子が病だと判明すると、自ら進んで罰を望んだ。乾隆帝は許そうとしたが、純妃によって最初から皇子殺害を企てていたことにされ、儲秀宮に軟禁された。すっかり気力を失っていたが、憎い父親が訪ねてきたことをきっかけに、返り咲くことを決意。歌声に惹かれてやってきた乾隆帝に身の上話をし、同情を誘った。

 

芝蘭
 気力を失った高貴妃のため、高斌に励まして欲しいと頼む。高貴妃が父親を憎んでいることを知らなかったようだ。

 

高斌
 水害に悩む民を救うべく、大がかりな治水工事を乾隆帝に進言し、自らが責任をもって指揮を執り遂行することを誓った。
 芝蘭から高貴妃を元気づけて欲しいと頼まれ、乾隆帝に儲秀宮を訪れる許可をもらう。妹たちも後宮に入れるよう、高家の娘として無様な姿をさらすなと叱った。

 

乾隆帝
 嫻妃の助言を受け、葉天士を呼んで第五皇子を診察させた。高貴妃が過ちを認めて罰を望むと、侍医にも判断できなかったのだから仕方ないとして許した。しかし純妃から愉貴人の料理人が自害していたことを聞くと、高貴妃を軟禁することに決めた。
 儲秀宮の前を通りかかった際に聞こえてきた歌声に惹かれ、つい宮殿に入り高貴妃の舞を見る。「今夜は帰らないで」とすがりつかれたが、果たして。

 


メモ

酥油
 牛乳からつくる、バターに似た食材。

 

込み入った事情
 純妃は、愉貴人の料理人が「高貴妃に消される」という遺書を遺して自害したと言ったが、瓔珞は①過剰な甘いものが黄疸の原因だったとは断言できず、②高貴妃がみすみす遺書を遺したままにするはずもない、として、“込み入った事情”があるとした。料理人は自害ではなく純妃が殺したということ?

 

宿遷
 中国の東部・江蘇省の北部にある地名。「水の都」で、大きなふたつの湖に加え、京杭大運河と黄河のふたつの大河が流れている。

 

清河
 北京北部を流れる温楡河の支流。北京の主要な排水河川。

 

瓜洲
 現在の江蘇省揚州市にあった地名。京杭大運河から長江へ入る入口として重要な地。

 

淮河
 長江、黄河に次ぐ中国第三の河。ふたつの大河のちょうど間を流れ、華北・華南の境界線にもなっている。流れが複雑で治水が難しいうえ、下流は平坦な低地を流れているため洪水することが多く、別名“壊河Huai he”とも呼ばれる。

 

永定河
 華北最大級の大河・海河の支流。かつて洪水の度に流路が変わるため“無定河”と呼ばれていたが、それが治まるようにと願いをこめて永定河と改名された……という逸話もある。現在は上流の砂漠化により、ほとんど涸れてしまっている。

 

鄭家楼
 郑家庄?河北省の石家庄市にある村???

 

老河頭
 河北省にある地名?

 

堰堤(えんてい)
 ダム。

 

直隷吏総督
 地方長官の最高位。管轄地の軍政と民政の両方を統率した。1749年には黄河の管理と治水も管轄に加わった。史実だと高斌が総督だったのは41年~42年、43年~45年。

 

匪賊
 略奪や暴行をおこなう非正規武装集団。なぜ治水をすると匪賊から恨まれる?洪水災害に乗じた火事場泥棒的な?

 

祠堂
 祖先を祀る場所。

 

高貴妃の舞
 『貴妃酔酒』。地方劇(京劇)の演目のひとつ。楊貴妃が酒宴の準備を整えて玄宗皇帝を待っていたが、皇帝は約束を破ってライバルである梅妃のもとへ行ってしまい、悲しみと嫉妬のあまり酒を暴飲する話。作中で高貴妃がしていたように、盃をくわえて腰を反らせる場面が舞の最大の見どころ。