瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第十九話・決死の大芝居

要点・見どころ

1.病床の乾隆帝 2.乾隆帝のサービスシーン 3.瓔珞を意識する乾隆帝

 

あらすじ

前半・・・乾隆帝が高貴妃を許したと知った瓔珞は憤るが、傅恒から高貴妃の父・高斌が優秀な臣下だから仕方がないとなだめられてしまった。そんなとき、乾隆帝がある病を患う。感染力が強く、看病する者にも危険がともなうが、皇后は自らその役目を志願した。瓔珞もまた姉の仇を探すのに好都合だと、皇后に付き添う。そして看病の合間に李玉に聞き込みを行うが、怪しい皇族の情報は得られなかった。その代わり、姉が持っていた玉佩は確かに傅恒のものだと断定される。

後半・・・瓔珞は献身的な皇后を見て、乾隆帝にもっと皇后を大切にしろと忠告する。乾隆帝は激怒するが、反面で太監より気の利く瓔珞に依存していた。しかしひと月経っても病は治らない。そこで葉天士は病の原因である血痰を吐き出させるため、瓔珞に乾隆帝をわざと怒らせるよう頼んだ。瓔珞は高貴妃のご機嫌取りをする乾隆帝を嘲笑するという大芝居を討ち、荒療治は成功した。乾隆帝は芝居ではなかったと見抜いて許そうとしなかったが、病がうつってしまった瓔珞は目の前で倒れてしまう。


登場人物

魏瓔珞
 健気に乾隆帝を待つ皇后の体を心配し、乾隆帝が高貴妃のもとにいることがわかると憤る。それを傅恒にぶつけるが、乾隆帝にも事情があるのだと聞かされて渋々納得した。そして、宴を中座した皇族はいなかったとする傅恒の報告を聞き、信用した。
 明玉から乾隆帝の看病を押し付けられると、かえって好都合だと進んで承諾した。看病の合間に李玉に聞き込みをし、やはり宴を中座した皇族はいなかったという情報を得る。また看病のついでに乾隆帝に、皇后以上に乾隆帝を想っている妃嬪はいないと伝える。
 乾隆帝にわざと暴言を吐いて怒らせるも、治療のための芝居だったと謝罪した。乾隆帝の病がうつってしまい、そのまま養心殿で治療を受けることとなった。

 

富察傅恒
 高貴妃を陥れたのが瓔珞ではないかと疑うも、違うという彼女の言葉をすぐに信じた。また乾隆帝に対して怒る瓔珞に、やむを得ない事情があるのだと話してなだめた。
 約束通り瓔珞の姉を襲った犯人探しを手伝い、怪しい皇族はいなかったと彼女に報告する。嘘を吐いていないか?と瓔珞に詰め寄られると、その距離感に動揺してか絶句したが、彼女からの信用は得た。

 

明玉
 皇后から乾隆帝の看病のために養心殿に寝泊りしなさいと言われたが、自分も感染するのが嫌で瓔珞に押し付ける。爾晴から説教され、ようやく今までの行いを少し省みているようだ。

 

爾晴
 明玉が瓔珞に乾隆帝の看病を押し付けたのを見て、「保身ばかり考えているから信用を失ったのだ」と説教した。

 

高貴妃
 同情を誘う作戦が成功し、乾隆帝と一夜をともにする。さらに禁足を解かれ、乾隆帝が病を得たと知ると駆けつけた。皇后や他の妃嬪に出し抜かれまいと自分も看病すると申し出たが、皇后が過去に同じ病を患ったことがあると話すと、あっさり引き下がった。

 

純妃
 嫻妃とともに乾隆帝の看病を申し出た。それはあくまで皇后の身を心配してのことのようで、皇后が同じ病を患ったことがあるから大丈夫だと言ったのを嘘だと見抜き、なかなか引き下がろうとしなかった。反対にあっさり引き下がった高貴妃には嫌味を言った。

 

嫻妃
 乾隆帝の看病はすべての妃嬪の責務だと主張し、結局は皇后に任せることになったが、何かあれば代わると申し出た。皇后をひどく心配する純妃を見て「噂されるのも仕方がない」と笑った。

 

富察皇后
 冷たい夜風のなか乾隆帝を待ったが、李玉から高貴妃のところにいると聞かされ落ち込んだ。それでも乾隆帝が病を患うと、感染することを恐れず養心殿に泊まり込んで看病することに決めた。体が火照って眠れない乾隆帝のために、腕が動かなくなるまで寝ずに団扇で扇いだ。瓔珞に見返りを求めるべきだと言われるも、妻として尽くすのは当然だと諭した。
 乾隆帝に暴言を吐く瓔珞を必死に制止しようとしたが、その瞳からなにか目的があると察し、彼女に任せた。治療だったとわかっても怒りを鎮めない乾隆帝をなだめ、病に感染してまで看病した瓔珞を評価するよう進言した。

 

乾隆帝
 傅恒によれば、純妃が高貴妃を陥れようとした策を見破っていたが、高貴妃を懲らしめるためにあえてその策に乗ったのだという。しかし治水事業で多くの民たちを救った高斌の顔を立てるために、許さざるを得なかった、とのこと。
 病を患い、張院判から100日間の安静が必要と診断される。「病床では子どものようになる」という皇太后の言葉通り、痒くても我慢しなくてはいけないと言われて駄々をこね、皇后に笑われた。
 警戒している瓔珞が薬を塗ろうとすると最初は拒んだが、李玉のような不器用な太監たちよりはマシだとして任せる。細やかな気遣いをみせる彼女に、いつしか依存して看病をさせたがった。しかし彼女から遠回しに高貴妃を許したことを責められ、激怒した。
 瓔珞が治療のために暴言を吐くと怒り狂い、剣まで持ち出して暴れる始末。しかしおかげで病の原因である血痰を吐き出すことができ、快方に向かった。それでも瓔珞の言葉は芝居ではなく本心だったと怒ったが、彼女に病がうつってしまったことを知ると、責任を感じたのか養心殿で治療を受けさせることにした。

 

李玉
 献身的な看病をする瓔珞をねぎらい、彼女が玉佩の落とし主を探しているというと、宴では中座した皇族はいなかったと答えた。玉佩の特徴を聞き、それは富察の文様だから傅恒か皇后のものだろうと教えた。

 

葉天士
 なかなか病の治らない乾隆帝の診療録を見て、原因が他人からうつされたものではないと判断する。治療のために瓔珞に協力を求め、わざと怒らせて血痰を吐き出させようとした。大暴れする乾隆帝を陰で見守り、無事に血痰を吐き出したことを見届けてからようやく姿を現わし、事情を明かした。

 


メモ

疥癬
 ヒゼンダニという小さなダニが、人間の皮膚に横穴を掘って卵を産み付けることで発症する皮膚病。命にかかわる病気ではないが激しい痒みが伴い、感染力も強く、患者に直接に触れるのはもちろん、同じ寝具などを使用すると感染する可能性がある。治療はとにかく寄生したダニを殺す薬を飲んだり塗ったりする。硫黄がその殺虫効果があるため、昔は温泉の効能に「皮膚病」と書いてある場合は=疥癬に効くという意味だったらしい。

 

硫黄膏
 硫黄軟膏は角質を軟化させたり、殺菌殺虫のために用いる。ただし、作中で瓔珞が言っていたように多用すると皮膚が乾燥してしまう。

 

みょうばん水
 硫酸アルミニウムカリウムミョウバン)を溶かした水。ミョウバンは主に、ナスのぬか漬けの発色剤や煮物などの荷崩れ防止として使われる食品添加物だが、消臭効果やニキビなんかにも効くらしい。

 

蘆薈(ろかい)
 アロエのこと。肌に塗れば保湿効果や炎症を抑えたり、傷の治りを早めたりと幅広い効能があることで有名。

 

血痰
 血が混じった痰のこと。葉天士はこれが乾隆帝の病が長引く原因だったというけれど?

 

元亨利貞(げんこうりてい)
 養心殿の扁額に書かれていた四字熟語。元=万物の根源・亨=万物の成長・利=万物の開花・貞=万物の成就……春に芽が出て、夏に成長し、秋に結実、冬に地に還る、というような一連の自然な流れのこと?

 

黄連
 漢方で嘔吐や下痢がある場合に用いるが、イライラなど精神症状にも効能があり、イライラ(ストレス)にともなう痒みや不眠などにも効く。かなり苦い。日本の固有種らしいけど……?