瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第二十話・誕生日の贈り物

要点・みどころ

1.瓔珞と傅恒 2.贈り物合戦

 

あらすじ

前半・・・病に臥せる瓔珞はまどろみの中、優しく看病してくれる“誰か”から頬に口づけを受ける。もしかして……心に浮かぶのは“彼”だった。それはさておき、実は瓔珞の病は自らの体質を利用した仮病であり、無事に長春宮に戻る。乾隆帝はそれを見破って罰を与えようとしたが、無礼を許した自分が名君と噂されていることを知ると、本当に許さざるを得なくなった。そうこうしている内に皇帝の誕生日を祝う万寿節が近づいてきた。皇后は贈り物について純妃に相談するが、明玉が不躾にも横から口を挟んでしまう。

後半・・・叱られて不機嫌な明玉は、長春宮にやってきた舒貴人たちを勝手に追い返してしまう。皇后に軽んじられたと誤解した舒貴人は、見返そうと高貴妃に取り入る。そうして迎えた万寿節、舒貴人は貴重な仏舎利が入った仏塔を乾隆帝に贈った。皇后はその大事な仏塔の管理を瓔珞に命じたが、明玉が役目を横取りしてしまう。瓔珞はいっそ任せて姉の仇の手掛かりを探そうとその場を離れたが、出くわした傅恒とともに思わず花火に見とれてしまう。その後、仏塔の元に戻ると仏舎利が盗まれており……。


登場人物

魏瓔珞
 落花生を食べると発疹が出る体質を利用し、わざと食べて疥癬がうつったように見せかけた。ある夜、誰かが看病してくれた上に頬に口づけられた。すぐに傅恒ではないかと疑い、完治したあと本人に尋ねた。彼がとぼけると怒り、なぜ口づけをしたのか問い詰めたが、満更ではない様子。
 万寿節の贈り物について純妃に意見を求められると、明玉とは逆に洛神図を贈るのが良いと答えた。当日には、皇太后に贈る品を見繕うのと仏塔の管理を命じられたが、明玉に横取りされてしまう。姉の事件の手掛かりを探すため、そのまま明玉に任せてその場を離れ、乾清宮と御花園の間を実際に歩いて確かめた。その道中で傅恒と出くわし、ちょうど打ちあがった花火をふたりで堪能した。その間に仏舎利が盗まれたことがわかると、責任転嫁してくる明玉に呆れつつ策を考える。
 いまだに第二皇子を忘れられない皇后を心配し、なにか貴重な生糸を使って助けようとしているようだ。

 

葉天士
 瓔珞を嫌う乾隆帝に、殺してしまえば良いのにとつい口を滑らす。なかなか乾隆帝の心意がつかめなかったが、李玉に皇帝の心意とはそういうものだと言われて納得したようだ。
 治療のためとはいえ乾隆帝に暴言を吐いた瓔珞に敬服し、密かにアレルギー発疹の薬を処方して身を守る策に協力した。

 

傅恒
 瓔珞に問い詰められて最初はとぼけたが、実は海蘭察に当直を代わってもらって夜な夜な看病していた。つい口づけをしてしまった理由については、さすがに答えられなかった。
 宮中を歩いて事件の手掛かりを探している瓔珞を見つけ、たまたまそこにあったトンネルについて説明した。

 

乾隆帝
 公に罰することができない腹いせに、瓔珞に苦い薬を無理やり飲ますよう命じた。自分よりも先に完治したことを知り、仮病だったことを見破って処罰しようとしたが、瓔珞は英雄で自分は名君だと噂されているのを盗み聞き、結局やはり許すことにした。
 万寿節では妃嬪たちそれぞれの贈り物に喜んだが、特に高貴妃の西洋楽器には格別の喜びようだった。しかし、花火が打ちあがると高貴妃を無視して皇后と楽しんだ。

 

富察皇后
 万寿節の贈り物に自ら描いた山水画と洛神図を用意し、どちらを贈るべきか純妃に相談した。横から口を出した明玉を厳しく叱り、なんとかその短絡的な性格を矯正しようとした。万寿節では純妃や瓔珞が良いと言った洛神図ではなく、山水画を贈っていたが……?

 

純妃
 皇后から贈り物の相談を受けるも、どちらも良いと答えてはぐらかした。瓔珞に意見を求め、洛神図が良いと言うとその通りだと喜んで、皇后にそちらを贈るように勧めた。そして、なぜか山水画を模写したいから貸して欲しい、と皇后に頼んだ。

 

明玉
 純妃が瓔珞に意見を求めたところ、横から口を出して皇后に叱られた。それで不機嫌になり、皇后に贈り物を用意してやってきた舒貴人たちを勝手に追い返してしまう。
 瓔珞が贈り物の管理を任されると、その仕事はもともと自分の仕事だったと言って横取りした。しかし花火が打ちあがると珍珠に丸投げし、自分は花火を鑑賞。その間に仏舎利が盗まれると珍珠に怒りをぶつけ、瓔珞にも責任転嫁した。

 

舒貴人
 ツバメの巣を手土産に長春宮を訪れるが、明玉に侮辱されて怒り、見返すために高貴妃に取り入ろうとする。そして瓔珞の始末を命じられた。
 万寿節では皇太后が探し求めていた仏舎利が入った仏塔を贈り、乾隆帝に喜ばれた。みなが花火に夢中になっている隙に、ひとり怪しい行動をしているようだが?

 

高貴妃
 舒貴人が自分のところに来たのは、皇后に相手にされなかったためだと見抜き、嫌味を言う。軽く受け流せないことに呆れつつ、気に入られたくば瓔珞を始末しろと命じた。
 万寿節では康熙帝が愛した西洋楽器を修繕し、楽団を編成して音楽を奏でて乾隆帝を喜ばせたが、実はすべて舒貴人に用意させたものだった。花火を乾隆帝とともに見ようとすり寄るが、無視されてしまう。

 

嫻妃
 万寿節で花火を見て、幼き頃の弟との思い出を思い出し涙ぐんだ。

 


メモ

木通
 あけび。漢方ではツルを乾燥させたもので、利尿作用があるため膀胱炎やむくみ、湿疹などに用いられる。

 

龍胆草(竜胆草?)
 リンドウの根っこ?苦みで舌を刺激して、食欲不振などの胃の不調を改善する目的で使われる。

 

苦参
 クララというマメ科の植物の根っこを乾燥させた漢方薬。利尿作用があって、下痢や湿疹に効く。目が眩むほど苦いから“クララ”という名前らしい。

 

落花生アレルギー
 アナフィラキシー怖い。真似しちゃダメ絶対。

 

華佗
 後漢末期(三国時代)の伝説的な名医。歴史書の『三国志』にも、小説の『三国演義』にも数々の逸話が記されている。その中に、重病に悩むとある郡太守(郡の長官)をわざと激怒させ、血を大量に吐かせて治療したという話が残っている。

 

洛神図
 『洛神賦』?三国時代の優れた詩人だった曹植の文学作品に登場する女神の絵。洛神という女神に出会った曹植は恋に落ち、愛を育むものの女神は天界へ去ってしまう……というお話。一説に、女神は兄・曹丕の妻である甄姫ではないか、という説もある。

 

四景山水画
 南宋時代の画家・劉松年の作品。当時の杭州の春夏秋冬の景色を描いている。皇后が模写?したのは“夏景”に見える(乾隆帝の誕生日は9月25日、旧暦8月13日)。現在は北京の故宮博物館に所蔵されている。

 

ツバメの巣
 枯草や羽毛などを使わず唾液腺からの分泌物のみで巣をつくる、一部のアナツバメの巣。広東料理の高級食材として有名で、清代でもフカヒレやアワビと並ぶ食材として珍重された。特に中国では赤色やオレンジ色のものが高値で取引される。

 

侍郎
 官職のひとつ。清代では六部(礼部、工部など)の次官で、正三品や従二品などになるためかなり位の高い官職。納蘭は良いところのお嬢様。

 

湖州
 現在の浙江省。生糸の生産地として有名。

 

渇筆(かっぴつ)
 あえて墨汁を少なくして、掠れたように描く技法。

 

西洋楽器
 康熙帝西洋文化を積極的に取り入れ、ポルトガルの宣教師だったトマス・ペレイラから西洋音楽を習った。
 フルート=长笛changdi バイオリン=小提琴xiaotiqin

 

仏塔・仏舎利
 仏舎利はお釈迦様の遺骨のことで、それを納めるのが仏塔。中国では本物の遺骨ではなく、僧侶がインドなどを訪れて仏舎利の前で供養した宝石を代替え品として持ち帰り、仏塔に納めていた。舒貴人が用意したものも、本物の遺骨ではなく宝石のはず。

 

泰山
 山東省にある山。古代から人々の信仰の対象として崇められ、帝王が天地に即位を報告する儀式が行われた場所として有名。道教の聖地ではあるが、山やその周辺には由緒正しい仏教寺院も見られる。

 

長生智慧仏・鶴鹿仙齢碧花瓶・万字錦地団寿の燭台
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古詩
 『天启宫词』という明末期の詩集に収録された詩のひとつ。
 石梁深处夜迷藏,雾露溟累护月光。捉得御衣旋放手,名花飞出袖中香。
 紫禁城の深い夜の中、皇帝は女官たちと目隠し鬼ごっこ(かくれんぼ?)で遊ぶが、女官が衣を掴んではすぐに放してしまうので、皇帝は女官の袖から香る香りをかぐことしかできない……という情景を詩にしたもの。
 これがどうしてトンネルに結びつくのか……現地の『瓔珞』ファンは、これは傅恒の瓔珞に対する心情を現わしているのでは?と考察しているようだ。つまり、せっかく会ったのにトンネルのことで話をそらされたことへの嫌味???

 

東次間
 養心殿にある部屋?建物?のひとつ。