瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第二十三話・雷雨の夜の怪

 

要点・みどころ

1.傅恒の隠す真実 2.和親王との話し合い

 

あらすじ

前半・・・やはり瓔珞は高貴妃たちの話など信じておらず、事情をすべて皇后に打ち明けた。しかし、玉佩だけでなく帯が落ちていたのはさすがに不自然だと、傅恒を問い詰める。実は彼はすでに犯人に目星がついていたが、瓔珞が危険にさらされるのを恐れ隠していたのだった。瓔珞は憤り、傅恒を見限って自分一人で犯人を捜すことを決める。傅恒さえも恐れるほどの犯人ならば、おそらく皇族の中でも特別な人物だろう。後日、瓔珞は乾隆帝が親しい皇族を招いて茶会を開くことを知り、なにかを企む。

後半・・・乾隆帝の異母弟・和親王は、自分の棺を作って葬式ごっこをして遊ぶような変人だった。乾隆帝が開いた茶会でも支離滅裂な言動をし、堪忍袋の緒が切れた他の皇族がなんとかしてくれと乾隆帝に訴える。しかし、乾隆帝は彼に罰を与えようとはしなかった。その茶会の帰り道、激しい雷雨の中で一同は稲光が映し出した恐ろしい女の幽霊を目撃する。すると和親王はとくに恐れおののき、半狂乱に陥ってしまう。駆けつけた傅恒が落ち着かせようとするが、彼は「あの女だ!」と叫びわめくのだった。


登場人物

魏瓔珞
 純妃に毒を盛っただろうと問い詰められたが、皇后の茶碗の中身を飲み干して無毒であることを証明した。そして皇后に初めて、自分が女官になった目的を明かした。皇后が力になると言っても、迷惑になると言って断りその場を離れた。追いかけてきた傅恒に対しては、本当は傅恒の茶碗には、毒ではないものの茶碗を洗った汚水を入れていたと明かし、帯が現場に落ちていたことを追及した。しかし彼がどうしても詳細を明かそうとしないため、怒って見限った。
 乾隆帝が親族を集めた茶会を開くことを知り、犯人のあぶり出しをしようとする。瑠璃片を使って壁に幽霊に扮した自分を映し出し、ひと際驚いた和親王を犯人だと特定した。傅恒に手を出すなと言われても聞かなかったため、先回りされて話し合いの場を用意される。和親王が償いに姉を娶ってやると言うも聞く耳持たず去ろうとしたが、突然現れた父親がすでに了承していたうえ、出世までさせてもらうことになっていたことを聞き、愕然とする。皇后に助言を求めたが、最後には自ら条件を呑むと宣言した。

 

純妃
 瓔珞を警戒し、そばに置かない方が良いと皇后に忠告した。

 

富察皇后
 瓔珞が自分を毒殺するように高貴妃から命令されていたことを聞き、脅迫されたのかと心配した。しかし事情を明かされると、もっと早く打ち明けてくれれば力になれたはずだ、と話す。純妃に瓔珞は災いを招くと言われても、自ら学問を授けて成長を見てきたからこそ、これからも教育してあげたいと語った。
 傅恒が用意した、瓔珞と和親王の話し合いの場に同席したが、決断は瓔珞本人に任せた。

 

傅恒
 瓔珞の姉が襲われた日は当直だったが、母親の急病のために衣や大事な玉佩までも侍衛処に置いたまま出かけていた。それを和親王が見張りの目をごまかすために身につけ、犯行に及んだと推理していた。しかしもしも瓔珞が、乾隆帝が目をかけている和親王に復讐しようとすれば危険にさらされてしまうと恐れ、彼女には黙っていた。
 パニック状態に陥っている和親王のもとへ駆けつけ、化け物が出たという壁を調べる。そこに粘着物を発見したことで、瓔珞が仕組んだものだと見抜いた。瓔珞を待ち伏せし、和親王にだけは手を出してはいけないと警告するも聞いてもらえず、穏便に済ませるために話し合いの場を設けた。

 

乾隆帝
 第四皇子を生みの親ではない嫻妃に預けるのに不安があり、夜遅くに嫻妃の元を訪れ、生母・金氏の妹に皇子を育てさせるつもりだと、心苦しそうに明かした。しかしその夜、目が覚めてしまった皇子のもとへ、嫻妃が裸足で駆けつけたのを垣間見ると考えを翻した。
 親しい皇族だけを集めた茶会では銘茶を用意してもてなしたが、和親王が意味の分からない言動を繰り返して場を壊してしまう。それでも威圧するのみで、罰を与えようとはしなかった。
 周囲の人間は、和親王が年の近い弟であるために贔屓していると考えているが、本当は彼の奇行は自分に皇位を譲るための演技だったと考えているため、罰しようとしない。

 

嫻妃
 夜遅くまで第四皇子と遊んであげ、乾隆帝からもよく懐いていると褒められた。しかし、皇子が金氏の妹のもとへ移されることを知ると、表向きはその方が皇子のためだと承諾したが、わざと足をすりむき、それを夜中に皇子のもとへ裸足で駆けつけたときに負った怪我だと見せかけ、乾隆帝を思いとどまらせた。

 

李玉
 和親王は病弱なふりをして文武を極めなかった変人という認識でいたが、乾隆帝がすべては演技だったかもしれないと言うと、冗談だと受け取って笑った。しかし乾隆帝の神妙な面持ちを見て、慌てて過ちだったと謝罪した。

 

親王(愛新覚羅弘昼)He qinwang Hongzhou
 乾隆帝の異母弟で、もっとも皇帝に近い皇族と言われている。しかし、いわれもなく他人を殴ったり、自分の葬式ごっこをして遊ぶなど、問題行動が目立つために周囲から嫌われている。それは乾隆帝に甘やかされているからだとほとんどの人間が考えているが、乾隆帝はそうは思っていない様子。
 雷雨の夜に幽霊を見て、とっさに自分がかつて犯した女官(阿満)の亡霊が出たのだと思い、パニックに陥る。しかし日が明けて冷静になると違和感を覚え、幽霊が映った壁を調べていた。そこへ現れた傅恒から真相を明かされ、皇后の面前で瓔珞との話し合いに臨む。
 酒に酔って阿満を辱めたことは認めたものの、殺害については否定。しかし事を丸く収めるため金子を用意し、無縁墓にいる阿満を娶って側室にすることで、お手付きにした責任を果たして償いにすると提案。瓔珞は拒否したが、実はすでに彼女の父親に話をつけて呼び寄せており、強引に瓔珞にも承諾させると嫌味な笑みを浮かべて喜んだ。


高貴妃・舒貴人
 瓔珞が命令に従わず、皇后暗殺をし損ねたことを知るが、しばらく成り行きに任せることにした。


メモ

鐃鈸(にょうはち)
 承乾宮を訪れた乾隆帝が座ったお尻の下にあった楽器。京劇などで使用される、中国式シンバル。おそらく第四皇子のおもちゃ。

 

花盆底鞋 hua pen di xie
 清代、高貴な満州族の女性が履いていた厚底靴(ハイヒール)。嫻妃はこれの靴音がうるさく、皇子を起こしてしまうからと裸足で駆けつけていた。
 なぜ厚底靴を履くようになったかは諸説あるが、満州族の民族服である旗袍を着る際に裾を地につけないようにするためとか、満州族の女性はもともと山野で採集を担っていたので、虫や蛇を避けるために履いていた厚底靴が習慣になった、とか。厚さは5センチ~15センチで、年齢があがるにつれて低く(薄く?)なっていった。一般的に下働きの女性や老人は歩きやすいように平たい靴を履いていた。

 

愛新覚羅弘曕 Hong yan
 雍正帝の第六子で、乾隆帝の異母弟。史実では、乾隆帝が即位したときにはまだ4歳で、乾隆帝もこの年の離れた弟を可愛がっていたという(乾隆帝が茶会で頭ポンポンするの、なんか、イイよね・・・)。

 

慎郡王
 康熙帝の子で、乾隆帝の叔父。画家や詩人でもあった。

 

平郡王
 清国の開国時に活躍した名将・愛新覚羅岳讬(Yue tuo)の末裔。史実では乾隆帝の伴読(勉強相手)を務め、彼が亡くなったとき乾隆帝はとても悲しみ、詩をつくって遺した。

 

親王
 康熙帝の子で、乾隆帝の叔父。

 

鈕祜禄訥親 Niu hu lu Ne qin
 雍正帝の時代から大臣を務める人物。

 

軍機大臣
 軍機処という、政治における最高機関に所属する人のこと。

 

一等公
 清代の爵位制度における最高位。年俸は銀700両(嫻妃が300両)。

 

仏手柑(ブシュカン)
 インド東北部が原産の柑橘類。果実の形が手のようでおもしろいため、主に観賞用に用いられる。果肉が少なく食べるのにはあまり向かないが、香りが良い。

 

三清
 梅の花、松の実、仏手柑(三つの清らかなるもの)をお湯に浸し、抽出した液で淹れた龍井茶乾隆帝が愛したお茶として現代にも伝わる。

 

「泰山崩れるとも~」
 中国のことわざ。泰山崩于前而色不变,麋鹿兴于左而目不瞬。泰山が崩れても顔色を変えず、鹿が急に飛び出してきても(驚いて)瞬きをしない。何が起こっても動じないこと。

 

二人の弟
 和親王と弘曕。

 

福慧
 雍正帝の第八皇子。乾隆帝の弟。母の年貴妃は体が弱く、福慧も病弱だった。雍正帝はなんとか病を治そうと、朝鮮に進貢を免除する代わりに良い医者や薬を求めたほどだったが、その甲斐なく8歳で亡くなった。

 

九子奪嫡
 康熙帝の息子たちが皇帝の座を巡って争った事件。康熙帝には24人もの子どもがいたが、その中の9人の皇子がそれぞれ派閥をつくって権力争いをした。雍正帝はこの争いを勝ち抜いて即位したわけだが、自分の子どもたちは争わないようにと、“太子密建”という新制度を編み出した。
 争いの要因として、満州族にはもとから生まれ順で後継者を決めるという習慣がなかったため、皇子たちも兄弟皆平等であると考えていたという背景がある。また、康熙帝が最も溺愛して皇太子としていた第二皇子が失脚したあと、正式に皇太子を定めなかったことが泥沼化した原因のひとつにもなった。結局、雍正帝が即位したわけだが、その経緯は不明瞭。

 

瑠璃片
 ガラス片?

 

内菅領(内管領?)
 管領は、清代の役職の一つで“管事”に相当する。内は内務府の内?内廷の内? もしくは“内管”が宮中で働く太監などを指すので、それの“領=リーダー”?