瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第二十四話・義妹の鉄槌

要点・見どころ

1.瓔珞の復讐の行く末

 

あらすじ

前半・・・瓔珞は和親王が提示した条件を呑んだが、不服そうなのは誰が見ても明らかだった。皇后は傅恒を問いただすが、彼はたとえ恨まれることになろうとも、瓔珞を守りたかったのだと強い口調で答えた。しかし、和親王はあろうことか義妹となる瓔珞までも手籠めにしようと企んでいた。その下心を知った傅恒は瓔珞本人にも用心するように伝えるが、彼女は強力な睡眠薬を用意してなにかを企む。そして夜遅く、所用で出かけた瓔珞を見つけた和親王もまた、怪しい笑みを浮かべるのだった。

後半・・・和親王が瓔珞を尾行すると、彼女は掟を破って姉の供養をしようとしていた。和親王はそれを告発しない代わりに、自分にかしずくよう迫る。しかし、すべては瓔珞の罠だった。瓔珞は彼に睡眠薬をかがせ、殺意を持って襲い掛かる。和親王が逃げ出すと、とっさに自らの衣や髪を乱し、自分の方が襲われていたと偽った。和親王乾隆帝に拘束され、実母の裕太妃からきつい仕置きを受ける。しかしそれでも瓔珞は復讐心を捨てず、これまでかばい続けてきてくれた皇后までも怒らせてしまう。


登場人物

魏瓔珞
 和親王の提示した和解策を受け入れたが、明らかに不服そうだった。侍医になった葉天士に頭痛で眠れないと相談し、強力な睡眠薬を手に入れて密かに復讐を企む。夜更けに郭太妃の供物を届けに行くと見せかけて、和親王をおびき出した。
 母代わりだった瓔寧が15歳で宮仕えをしてから9年間、神武門の外で帰りを待ち続けた。ようやく年季明けとなる年に還らぬ人となり、しかもそれがおふざけが原因だったとわかった今、決して許すことはできないとして和親王に襲い掛かった。しかし、彼が大声で助けを求めながら逃げ出すと、とっさに衣や髪を乱して襲われていたのは自分だと偽った。現れた乾隆帝に対し、和親王が門限が過ぎているのに宮中にいることや、太監の服装をしているのは不自然だと訴え、自分の主張を信用させた。
 過去に女性を犯した皇族は罰金刑だけで許されたことを引用し、今回ばかりは公平な裁きをするよう乾隆帝に訴えるが、怒りを買ってしまう。そこへ現れた皇后に助けられ、無事に長春宮に戻ったものの、復讐を達成したつもりはなかった。しかし、これ以上復讐に固執するのはあまりに危険だと皇后に説教され、二度と和親王を害すなと命じられてしまう。

 

葉天士
 町医者から侍医となったが、他の侍医から嫌われて雑用しかさせてもらえず嘆いていた。瓔珞から、乾隆帝の往診の際に泣きながら辞意を示して、遠回しに嫌がらせをされていること訴えてはどうかと提案され、彼女の賢さに感心した。
 頭痛のため眠れないという瓔珞に、根本的な治療にはならないがと前置きしつつ、麻酔にも使う曼陀羅華を処方した。

 

明玉
 瓔珞から花壇の世話当番を交代して欲しいと頼まれ、渋々という口ぶりではあったが、以前よりははるかに打ち解けた様子だった。しかし、爾晴から仕事ぶりが瓔珞に及ばないと言われ、怒ってへそを曲げてしまった。

 

爾晴
 傅恒が瓔珞を守りたいと強い意志を見せたことに驚き(嫉妬?)の表情を見せた。明玉に対してわざとらしく瓔珞を立てるような発言をし、ふたりの仲を再び険悪にした。

 

珍珠
 傅恒に対して怒っている瓔珞と、どうしても話したい傅恒の間に挟まれ、律儀に互いの伝言を伝えたがすぐに呆れて立ち去った。

 

海蘭察
 和親王に話しかけた際に、通りかかった瓔珞に下心を抱いていることを知ると、傅恒の想い人だからやめろと注意した。しかしあきらめる素振りが見られなかったため、傅恒に警告した。

 

傅恒
 利益で釣るという卑怯な方法で解決したことを皇后に問い詰められるも、たとえ自分が嫌われても瓔珞を守りたかったのだと声を荒げた。これで穏便に事件を解決したつもりだったが、海蘭察から和親王が瓔珞を狙っていることを聞かされると、瓔珞本人に用心するように伝えた。
 後日、恐れていたことに瓔珞が襲われたことを知ると、病に臥せる和親王の寝所に押しかけ、二度と彼女に近づくなと脅した。

 

富察皇后
 瓔珞の性分を理解し、傅恒が用意した方法では彼女を逆なでするだけだと問い詰めた。しかし、思いがけず傅恒の強い意志を聞き、それ以上はなにも言わなかった。
 瓔珞が和親王に復讐するため騒ぎを起こしたことを知り、養心殿にかけつけた。公正な裁きを求めて乾隆帝を怒らせた瓔珞をかばい、必ず無傷で長春宮に連れ帰ると訴えた。宮殿に戻って瓔珞の行動に理解を示したものの、もしも自分の到着が遅れていたら処刑されていたと説教し、今後は一切、和親王に対して行動を起こすことを禁じた。

 

乾隆帝
 茶会での騒動を機に、毎日和親王を養心殿に呼んで更生させようとした。無意味だと訴える彼に、血を分けた兄弟として自分をサポートしてほしいと語った。
 夜更けに和親王の叫び声を聞き、外へ出たところで取り乱した様子の瓔珞に出くわす。彼女が和親王に襲われたと主張すると、その状況から信用し、和親王を殴って拘束した。しかし瓔珞にも事情を聞くため、養心殿に連行した。彼女が公正な裁きをするべきだと訴えると激怒するも、駆けつけた皇后がかばうため許した。遅れて駆けつけた裕太妃に事情を明かし、鞭打って仕置きするのを見届けるも、和親王を許そうとはしなかった。

 

李玉
 乾隆帝に命じられ、裕太妃に「和親王は酒に酔い(睡眠薬で千鳥足だったから?)、不敬の罪を犯した」と説明した。

 

裕太妃 Yu Taifei
 和親王の生母。おしとやかで信心深いが、問題ばかり起こす息子に手を焼いている。かといって息子を蔑ろにしているわけではなく、むしろ過保護で、皇太后が冗談で鞭で躾けてやろうと言うと慌てて制止した。
 その息子が女官を襲おうとしたと聞いて養心殿に駆けつけ、乾隆帝は兄弟のよしみで罰しないだろうからと、自ら鞭打って仕置きをした。息子とともに自分も罰するように懇願したが、乾隆帝に宮殿に帰るよう促され、後ろ髪を引かれる思いで立ち去った。

 

太后
 大人しい裕太妃からなぜああも腕白な悪童が産まれたのかと、冗談交じりに裕太妃と談笑していた。和親王が騒ぎを起こしたことを聞いて裕太妃を訪問し、仏に祈っている場合ではなかろうと話した。

 

親王
 瓔珞と義兄弟になったわけだが、彼女の美貌を見初め手籠めにしようと考える。海蘭察に警告されるも聞かず、門限間際に出かけようとした彼女を見つけると、太監に変装して尾行した。
 御花園で姉の供養をしようとする彼女に、掟違反を見逃す代わりにその身を捧げるように迫る。しかし、睡眠薬をかがされ襲われそうになると命からがら逃げだし、大声で助けを求めた。現れた乾隆帝に、罠にはめられて殺されそうになっていると訴えたが、信用してもらえず拘束された。駆けつけた母親にも助けてもらえず、鞭で打たれて気を失った。後日、激怒した傅恒から首を絞められ、二度と瓔珞に近づくなと脅された。


メモ

寿安宮
 皇太后や太妃たちが暮らした宮殿のひとつ。郭太妃が住んでいたらしい。

 

郭太妃
 雍正帝の妃で、位は常在だった(史実では貴人)。病のために亡くなったが、気が強かったために他の妃たちと仲が悪く、誰にも弔ってもらえなかったという。

 

曼陀羅
 チョウセンアサガオ。有毒植物のため誤って食べると幻覚などの症状が現れるが、麻酔としても用いられ、世界初の全身麻酔手術を成功させた江戸時代の華岡青洲が開発した麻酔薬にも使用されている。中国では明代の医学書に、患部を切開する際に酒にまぜて飲めば苦痛を感じないと書かれている。

 

寿康宮
 皇太后や太妃たちの宮殿のひとつ。乾隆帝の生母(皇太后)が住んだ。

 

『玉磨かざれば器を成さず』
 生まれつき優れた才能を持っていても、努力して磨かなければ意味がないという意味のことわざ。由来は儒教の基礎的な経本のひとつ『礼記』。

 

『君子は言で人を挙げず~』
 『論語』に収録された孔子の言葉。その人の発言と人格は切り離して評価するべきだ、という意味。

 

『巧言令色~』
 論語に載っている言葉のひとつ。言葉を巧みに操り顔色を取り繕うような人は、仁の心が欠けているという意味。

 

冥銭
 故人があの世でお金に困らないようにという意味で、棺にいれたり仏前などで焚くお金。古代では本物のお金を使っていたようだが…清代では???

 

百霊
 裕太妃の侍女。