瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第31話・辣腕なる代行者

要点・見どころ

1.嫻妃の手腕 2.爾晴と傅恒と純妃

 

あらすじ

前半・・・皇后の代行者となった嫻妃は、難民たちに食料を配給することを提案し、皇太后から称賛される。嫉妬した高貴妃は妨害を企むが、嫻妃は嫻妃で和親王を味方に引き入れた。さらには、辛者庫の者たちに配給の手伝いをさせる代わりに褒美を授け、支持を得る。そして配給当日、高貴妃が送り込んだ暴漢たちが配給所で暴れたが、袁春望が一網打尽にする。そこに和親王も駆けつけ、難民の中にごろつきが紛れていることが明らかになると、嫻妃は毅然な態度を示して見事に配給を成し遂げた。

後半・・・瓔珞は高貴妃に無理やり危険な芸を仕込まれている村人を救おうと、密かに動く。しかし、その企みを錦繍に知られてしまう。そのころ長春宮では、傅恒が勤めの合間に皇后の回復を待っていた。そこへ爾晴が近寄り、乾隆帝が自分たちの縁談をまとめようとしていることを明かす。しかし、傅恒は想い人がいるため断るつもりだとはっきりと告げた。爾晴はひどく落ち込み、皇后の看病をする純妃にも心配される。しかし事情を知った途端、純妃は爾晴以上に激しい動揺を見せたのだった。

 

登場人物

魏瓔珞
 体調不良の者は休んで良いという嫻妃の計らいにより、難民への配給の日はひとり休養をとることとなった。しかし、その隙に“万紫千紅”の練習をさせられている老人と少年のもとを訪れ、逃げ出すための策略を伝えた。

 

太后
 富察皇后は節約を重視しすぎていたが、嫻妃は慎重で周到だと褒めた。さらに嫻妃が、難民の救済と皇后の回復祈願のため食料の施しを提案し、その資金を集めるため皇太后名義の条例を出してほしいと話すと、快諾して全面的に支持した。

 

嫻妃
 被災民が都に流れてきている件について、彼らに食料の施しをして救済し、なおかつその善行で皇后の回復祈願をしたいと皇太后に相談した。それで一層の信頼を得ると高貴妃に嫉妬され、「皇后の座を狙っているのでは?」と煽られるが、真っ向から否定した。
 乾隆帝にも施しの許可を得ようと向かったところ、和親王とすれ違う。彼が涙を流していることに気が付くと、改心しようとしていることを見抜き、配給の手伝いをその第一歩にすれば良いと諭した。
 配給所で高貴妃が雇った暴漢たちに襲われそうになるが、怯えたり逃げようとはしなかった。その暴漢を袁春望が成敗すると、その有能さに目を見張った。無償であることに乗じて食料をねだりに来た不届き者が混じっているとわかると、毅然とした態度で自ら前へ進み出て、貴重な食料なのだからもらえて当然ではないと演説した。そして、労働と引き換えに配給することを提示して偽物の難民たちを追い払い、本当に困っている者たちへ無事に施しをおこなった。
 承乾宮に密告状が届くも、もはや日常茶飯事だとして取り合おうとしなかった。しかしその内容を珍児から聞くと驚き、なにかを思いついた様子。
 配給で見事な手腕を発揮したことで、乾隆帝からも褒められる。しかし謙遜したうえで自ら高貴妃の父親を褒め、後宮での自分の人間関係などは些細なことだと語り、自分の評価をさらにあげた。そして、高貴妃が“万紫千紅”の下稽古をするから、ともに見学しようと誘った。

 

珍児
 言葉少ない嫻妃に代わり、和親王に泣いていることを指摘したり、配給を手伝うことは亡くなった裕太妃の供養になるのではと話した。

 

高貴妃
 目の敵にしていた皇后をやっと排除したと思ったら、嫻妃が皇太后に気に入られて台頭し始めたので、苛ついていた。彼女が配給を行うことを知り、舒貴人に妨害するよう暗に命じた。しかし、かえって嫻妃の有能ぶりを際立たせてしまい、皇太后の誕生日に披露する“万紫千紅”を必ずや成功させ、面子を取り戻すと意気込む。稽古から逃亡しようとした芸人が殺害されたと聞くも、その命を惜しむことすらしなかった。

 

舒貴人
 相変わらず高貴妃に媚びを売り、嫻妃の妨害をしろという意図を察すると、偽の難民を配給所で暴れさせた。それが失敗し、高貴妃が「施しなら自分も毎年している」と憤ると、普段目立たない嫻妃が突然、行動を起こしたから騒がれているだけだとなだめた。

 

乾隆帝
 裕太妃の墓守りに行くという和親王に、裕太妃の息子である以前に清国の皇子だろうと激怒した。裕太妃の言いつけに従って放蕩息子を演じていたことを見抜いており、このまま愛新覚羅家の面汚しでいるつもりなら、二度と紫禁城に戻ってくるなと説教した。
 嫻妃が高貴妃の妨害をものともせず、見事に配給を成し遂げたことを伝え聞き、本人に対して「見直した」と軽口まじりに褒めた。彼女が後宮のトラブルと政は無関係だと話すと感心し、高貴妃の“万紫千紅”の稽古を見に行こうと誘われると、李玉にその場所を探させた。

 

親王
 母の死から立ち直ることができず、せめてもの親孝行として墓守りに行きたいと、乾隆帝に相談する。しかし、母親に言われるがまま変人を装っていたことを指摘されると動揺し、これからは国や民のために本来の能力を発揮すべきだと説教され、涙を流して許しを求めた。
 嫻妃に配給の手伝いを勧められると、最初は民たちに笑われてしまうと渋ったが、印象を変えるための“第一歩”になるという言葉に心動かされ、協力することを決意した。当日は侍衛を引き連れて配給所にやってきて、嫻妃を守った。偽物の難民を追い払うため、きつい言葉を使う嫻妃をたしなめようとしたが、結局見事に追い払ったので感服する。そして、弱った難民のための侍医の手配を進んで引き受けた。

 

呉総管
 配給所で難民たちを並ばせるなど仕切っていたが、予想以上の難民が押し寄せて混乱状態になると、手に負えなくなってしまった。代わりに活躍した袁春望が嫻妃の目に留まると、「彼はおまる洗いだ」と見下した。

 

袁春望
 辛者庫の者たちにも褒美を授け、奴婢たちの心まで掴んだ凄腕の嫻妃に対し、皇后は及ばないのではないかと瓔珞をからかった。しかし彼女が高熱を出していることを知ると、“兄として”おぶって彼女を部屋に連れ戻した。
 配給所では難民たちの様子を観察し、やけに挑発的で猛々しい雰囲気の男たちを偽物の難民だと見抜いた。その男たちが難癖をつけ始め、嫻妃に襲い掛かろうとすると果敢に飛び掛かり、ためらうことなく殺害した。嫻妃や和親王に、都のごろつきや何者かに雇われた者が難民に紛れていると主張し、その判別方法として、真の難民ならば苦難の長旅でやつれているはずだと説明した(難民に詳しい?)。嫻妃が偽物の難民を追い払うため、食料は労働と引き換えにすると宣言するのに合わせ、その労働の仕方など詳細を説明し、混乱を鎮めた。その働きが認められ、辛者庫の管事に任じられた。
 瓔珞を見舞おうとするも寝入っているのをみると、静かに部屋を出た。その際に出くわした錦繍の様子がおかしいことに気づき、怪しむ。

 

錦繍
 配給所の手伝いを命じられると、自分の仕事だけで手一杯だと訴えた。褒美と休暇が与えられることを知ると手のひらを返して喜んだが、瓔珞は病のために手伝いを免除されると知ると、再び不機嫌そうにした。さらに袁春望が彼女を特別扱いしているのを見て、嫉妬した。
 配給当日、瓔珞のことが気になったのか配給所に向かう途中で引き返した。彼女が出かけると尾行し、万紫千紅の稽古をしている芸人を逃がそうとしているのを知る。それを嫻妃に密告し瓔珞を陥れようとするが、様子がおかしいために袁春望に怪しまれる。

 

傅恒
 勤めの合間に長春宮で姉の皇后の目覚めを待った。爾晴から、乾隆帝が縁談を命じようとしていると聞かされるが、たとえ乾隆帝の命令だとしても、想い人がいるため断るときっぱりと告げる。彼女が引き下がろうとしないと、「君にもいつか愛する男性が現れるだろう」と優しく語り聞かせた。

 

爾晴
 皇后の回復を待つ間に居眠りをしてしまった傅恒に、そっと歩み寄り肩掛けをかけてあげた。彼が目を覚ますと、祖父から縁談について聞いたと切り出す。彼が想い人がいるため断ると話すと、陛下の命令に反することになるうえ、瓔珞は傅恒のことを想っていないと言って説得しようとした。しかしそれでもはっきりと拒否され、大きなショックを受けた。皇后の看病をする純妃のそばに控えるも、その呼びかけに反応できず心配をかけてしまう。傅恒が瓔珞を好いているのは誰の目にも明らかだとため息をつくが、それを聞いて純妃が激しく動揺すると驚いて目を見開いた。

 

琥珀
 爾晴の様子がおかしいことを心配した純妃に、傅恒に縁談を断られたことを勝手に明かした。爾晴本人が制するのも聞かず、瓔珞が傅恒をたぶらかしたのだと悪口を言った。

 

純妃
 皇后に寄り添って看病していたが、しっかり者の爾晴の様子がおかしいので怪しむ。乾隆帝が傅恒と爾晴の縁談をまとめようとしていることを知ると激しく動揺し、さらに傅恒が瓔珞を好いていると知ると唇をかんだ。


メモ

直隷
 現在の河北省のあたり。「皇帝のおひざもと」という意味。

 

庫銀
 清代に流通していた銀貨。

 

地安門
 紫禁城の北門。天安門の対となる重要な門。

 

墓守り
 史実だと裕太妃は、河北省にある清泰陵という雍正帝やその妃たちが葬られた陵墓に眠っている。

 

「米1斗は恩、米1担は仇」
 中国のことわざ。升米恩,斗米仇。困っている人にほんの少し米を分けてあげれば感謝されるが、たくさんの米を与えれば相手はそれに依存し、その後、援助をやめると恨まれてしまう、という意味。過度の慈善はかえって仇となる。

 

「蝉を捕らえる螳螂を~」
 中国のことわざ。螳螂捕蝉,黄雀在后。「カマキリがセミを捕らえる、その後ろにヒワがいる」。目の前の利益に夢中で、後ろから迫る危険に気づかないこと。