瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第34話・卑怯な提案

要点・見どころ

1.瓔珞と傅恒の恋の行方 2.袁春望の過去

 

あらすじ

前半・・・瓔珞の言葉に心動かされた乾隆帝は、彼女を放免することを決める。しかし瓔珞を恨む爾晴はわざと、彼女が傅恒とともにいるところを乾隆帝に目撃させた。乾隆帝は激怒し、放免を撤回してしまう。さらにその直後、瓔珞が何者かの罠で高貴妃を呪い殺した容疑をかけられると、彼女を処刑に追い込むため自ら審問した。袁春望から瓔珞の危機を伝えられた傅恒は、自ら助命すれば彼女との密通を疑われ事態が悪化すると知り、窮地に立たされる。そこへ爾晴が、彼にとある提案をする。

後半・・・瓔珞は見事に冤罪を証明したが、乾隆帝はすぐさま傅恒との私通を追及する。すると瓔珞は弁明すらせず、罪を認めて半ば自ら牢に入った。それはもちろん、傅恒との愛を貫くためだった。しかし翌日、突然に瓔珞は釈放される。腑に落ちない瓔珞の元へやってきた傅恒は、あろうことか爾晴と婚姻を結ぶことにしたと告げる。裏切られて傷心の瓔珞を、袁春望は力強く抱きしめ慰める。心を解いた瓔珞は、おもむろに彼の過去について尋ねた。袁春望はそれに応え、波乱に満ちた半生を語り始める。


登場人物

魏瓔珞
 いまだ体調が整わない中、朝早くから草取りの苦役に従事した。その際、劉女官の不穏な気配を感じ取った。
 夜中に皇后の見舞いに行こうとしたところ袁春望から呼び止められ、隠すことなく長春宮に行くことを明かした。自分の体調も悪いのに昔の主に奉仕するのかと責められると、皇后は主であるだけでなく姉なのだと言い、義兄弟の契りを結んだ今、たとえば袁春望が病気になったとしても同じくらい介抱すると告げた。
 高貴妃を呪い殺した容疑をかけられ、養心殿で乾隆帝から尋問されると、呪いの人形の首に巻かれた紐の結び方や、木の乾き具合などを不審点に挙げ、自らの無罪を証明した。しかし直後、傅恒との密通の罪を問われると、事実だとして弁明もしなかった。
 牢から出されると傅恒がなにかしたと察し、辛者庫に会いに来た彼をすぐに問い質した。爾晴を娶ることを聞くと大きなショックを受け、彼が返そうとした香り袋を投げ捨て、二度と会いに来ないでと拒絶して去った。袁春望が心配して粥を持ってきてくれるも無視をして八つ当たりし、彼を怒らせてしまう。「乾隆帝も傅恒も酷い仕打ちをしたが、自分だけは常にそばにいる」と抱きしめられると、ようやく失恋による胸の痛みを打ち明けた。そして、どうして袁春望のような善人が紫禁城の太監になったのか、過去を尋ねた。

 

明玉
 いつものように皇后の見舞いに来た瓔珞をこっそり宮殿に入れた。しかし、乾隆帝がやって来た際にでしゃばる爾晴を制することができなかった。爾晴が乾隆帝にわざと瓔珞と傅恒のあいびきを見せたのを知り、怒って彼女の卑怯な手立てを責めた。爾晴に泣きつかれると、情けに負けて見逃してしまった。

 

爾晴
 明玉が瓔珞を引き入れているのを目撃し、さらにその後を尾行して、傅恒が忙しい勤めの合間に瓔珞を尋ねて来ているのも目にして嫉妬の念を強めた。乾隆帝がやってくると、明玉を制して自ら進んで対応した。昏睡状態の皇后に瓔珞の放免を報告するのを側で聞き、ちょうど彼女が来ていると言葉巧みに導いて、傅恒と瓔珞が会っている現場を目撃させた。してやったりと言った面持ちだったが、明玉に卑怯だと責められると慌てて情に訴え、瓔珞に内緒にしてもらうよう頼み込んだ。
 瓔珞が処刑されそうになり、切羽詰まった傅恒が皇后を訪ねてくると、「唯一の打開策」として自分との縁談を提案した。

 

劉女官
 傅恒から瓔珞に楽をさせるよう賄賂をもらっていたが、何者かからそれよりも多い銀子をもらったのか、瓔珞を陥れた。乾隆帝や嫻貴妃の前で、呪いの人形を証拠に瓔珞が高貴妃を呪い殺したと証言したが、瓔珞に論破され牢に入れられた。

 

嫻貴妃
 永珹の成長ぶりを乾隆帝に報告し、褒められると謙遜した。そこへ瓔珞がもめ事をおこしたことを知ると、高貴妃に関わることのため養心殿で乾隆帝とともに瓔珞と劉女官を尋問した。瓔珞の冤罪だという主張を認め、劉女官を慎刑司に送った。乾隆帝が侍衛との私通を疑うと、最初は女官の名節に関わると忠言したが、瓔珞が認め、乾隆帝が不機嫌になると何も言うことができなかった。

 

乾隆帝
 辛者庫の女官の噂によれば、毎日朝早くから夜遅くまで執務をし、他民族の言葉さえも操ることができるという。
 瓔珞の言葉により皇帝としての決意を新たにし、古参の重臣・鄂爾泰と張廷玉の反対を制して年貢の免除を決めた。さらに瓔珞の才能を認め、辛者庫から出すことも決めた。彼女の喜ぶ顔を見るため勅旨ではなく、彼女が皇后を見舞うため長春宮に来る際に合わせ、自らその旨を伝えようとした。しかし爾晴によって、傅恒とともにいるのを目撃すると手のひらを返し、李玉が用意した勅旨も放り投げてしまった。
 後日、嫻妃から永珹の成長ぶりを聞いている最中、瓔珞が問題を起こしたと知ると、養心殿に召して自ら審問した。しかし元から冤罪とわかっていたようで、彼女が得意の弁舌を振るう間も興味なさげにし、弁解し終わるとすぐさま傅恒との密通を問いただした。彼女が弁明すらせず牢に連行されるのを見届けると、極めて不機嫌そうに執務に戻った。
 傅恒が瓔珞の助命のために跪くと、最初は無視をしていたが丸1日たってようやく、彼の前に姿を現した。彼の話も聞かず、瓔珞との婚姻は決して認めないと言い捨てたが、予想外に爾晴との縁談を求めていることを知ると驚きで言葉を失った。

 

傅恒
 侍衛処にやってきた袁春望から瓔珞の危機を聞き、とっさに自ら助命しに養心殿に行こうとしたが、それでは火に油を注ぐだけだと聞かされて窮地に立たされる。良い案も見つからず、昏睡状態の皇后に、派閥争いや流産などのつらい現実から逃げず、どうか目を覚まして瓔珞を助けてくれと涙ながら訴えた。しかし皇后は目覚めず、代わりに側にいた爾晴から、乾隆帝の命令に従って瓔珞ではなく自分を娶れば良いと提案され、断腸の思いでそれを承諾した。
 牢から出され辛者庫に戻った瓔珞のもとを訪れ、爾晴との婚姻を告げた。怒った彼女に二度と会いに来るなと言われると無言で立ちすくみ、彼女の背中を見送った。そして、返そうと思って捨てられてしまった香り袋を拾い上げた。

 

袁春望
 夜中に出かけようとする瓔珞を呼び止め、日中も過酷な労役に従事しているのに、夜まで皇后に奉仕するのかと責めた。しかし、もしも自分が病気になったときは同じように介抱してくれると聞き、うっかり呆けて見逃してしまった。
 錦繍から瓔珞が連行されたことを聞き、助けるために辛者庫を飛び出した。しかし自分では彼女を救えないと考え、傅恒に事情を知らせた。彼が自ら嘆願しに行こうとすると止め、(おそらく)瓔珞との婚姻をあきらめて乾隆帝の命令に従うように仕向けた。
 傷心の瓔珞に無視をされると、八つ当たりせず現実を見ろと怒鳴った。皇帝である乾隆帝に初恋を引き裂かれ、良い所のお坊ちゃんの傅恒には裏切られたが、おなじ奴婢の自分は決して裏切らないと力強く抱きしめ、瓔珞の心を解いた。彼女から太監になった経緯を聞かれると、自分はもともと難民だったことや、人に騙されて宦官にさせられたことなどを語った。

 

 
メモ

「民は邦の本なり~」
 五経のひとつである「書経尚書)」にある言葉。民惟邦本,本固邦宁。民たちこそ国の根本であり、その根本が強固であれば国は安泰だ、という意味。

 

丑の刻
 午前2時の前後2時間。1時~3時。

 

西蔵
 チベット地方。

 

回族
 イスラム教を信仰する少数民族

 

唐詩
 唐の時代の詩。李白杜甫など、優れた詩人の作品が多い。

 

流産
 さらっと言ったけど、え!?

 

福慧
 雍正帝の第8子、乾隆帝の弟、年貴妃の子。

 

八叔父
 おそらく康熙帝の第八皇子で、雍正帝の異母弟である愛新覚羅胤禩。幼いころから優秀で、人柄も良かったために多くの臣下から支持され、“九子奪嫡”の中心人物として雍正帝と激しく皇位を争った。その争いに敗れ、雍正帝が即位すると冷遇され、「アキナ(犬)」と改名させられた挙句に監禁された。

 

袁春望の半生
 彼曰く、もともとは難民だったが父母は実の親ではなく、形見の数珠を頼りに実父を探すと雍正帝だった。しかし、政権争いに敗れて雍正帝を憎む八叔父(胤禩)に騙され、福慧の世話係の太監として送り込まれた、とのこと?病弱だった福慧が風邪をひくように窓を開けたのは、憂さ晴らしだけではなく八叔父からの命令による復讐???