瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第35話・縁談の波紋

要点・見どころ

1.純妃の真実 2.皇后の目覚め


あらすじ

前半・・・傅恒の縁談に衝撃を受けたのは瓔珞だけではなかった。皇后と古くからの友人だった純妃は、実は娘時代から密かに傅恒を慕っていた。手作りの房飾りを彼が常に身に着けていたことから、結ばれずとも思いは通じ合っている……そう信じていたはずが、彼の縁談をきっかけにすべて勘違いだったことが判明する。勘違いの元凶となった玉壺と口論をしている最中、嫻貴妃がやってくる。とっさに取り繕ったが、嫻貴妃にはすべてお見通しだった。そしてそのころ、昏睡状態だった皇后がようやく目を覚ます。

後半・・・皇后は瓔珞と傅恒の幸せを思い、爾晴との縁談を撤回させようとした。傅恒の意志が変わらないとわかると、抗議の意味で食事も摂らず、誰が見舞いに来ても会おうとしなかった。見かねた乾隆帝がやってくると、皇后は直々に縁談の撤回を求めた。乾隆帝は途端に顔色を変え、瓔珞は悪い女だと罵る。すると皇后は呆れたように笑い、「自分が瓔珞を妃にしたいから、傅恒との婚姻を認めないのだろう」と指摘した。乾隆帝は動揺し、衰弱して立つことすらできない皇后を振り返りもせず、立ち去ってしまう。


登場人物

魏瓔珞
 袁春望が過去を語っている途中で、疲れからか眠ってしまった。しかし彼のおかげで「もっと良い人がいるはずだ」と、失恋のショックを振り切った。こっそり笑いにきた錦繍にもいつもの調子であしらったが、彼女が姿を消して騒ぎになると袁春望を追及した。しかし、もっと楽な仕事ができるよう異動させるという話にはぐらかされ、真相は聞けずじまいだった。

 

袁春望
 瓔珞に自分の過去を語りながら、自分には高貴な血が流れているはずなのに、この世は理不尽で不公平だと恨み言を吐いた。その不公平さから自身を守るために斬られる前に殺す側にならなくてはならないと、眠っている瓔珞に言い聞かせたが、もはや自分たちは一心同体なのだから守ってやると優しく肩を抱き寄せた。
 失恋から吹っ切れた瓔珞をからかいご機嫌だったが、錦繍が高貴妃に復讐した犯人が瓔珞だと知っていることがわかると顔色を変えた。その翌日、彼女が紫禁城から逃げ出したと言い、辛者庫の管事として彼女を捜索する指揮を執った。瓔珞から怪しまれると、彼女に焼炕処への異動を提案するなどして話をそらした。

 

純妃
 傅恒が瓔珞を助けるため爾晴を娶ると知り、本人に直接問い質した。彼がそっけない態度をとると「私を覚えていないのか?」と尋ねた。
 実は娘時代から容音(富察皇后)と親友だったため、邸宅に遊びに行った際に出会った傅恒を慕っていた。当時、まだ親王だった乾隆帝のもとに側室として輿入れすることが決まっていたが、それを拒んで侍女の玉壺に傅恒への恋文を託していた。その文が届けられなかったことを知らず、彼が贈った房飾りを常に身に着けてくれているのを見て、思いが通じたと信じていた。さらに、親友が正室として輿入れすることが決まったため、ようやく自分も輿入れを受け入れ、傅恒の代わりに親友を守ることで愛を貫こうとした。そうして乾隆帝からの寵愛を避け、ひたすら皇后に尽くしてきた。しかし傅恒の縁談をきっかけに、玉壺は文を渡しておらず、10年間も勘違いをしていたことに気付いた。涙を流して玉壺を責め立てたが、そこへ突然、嫻貴妃がやってきたため、涙を拭いてすぐさま取り繕った。
 瓔珞に嫉妬し、高貴妃を呪い殺したという罪をでっち上げたが、嫻貴妃に真実を問われると顔を強張らせつつ否認した。劉女官が嘘を吐いたということになり、目の前で舌を切られると、すべて見透かされていたことを悟り、別人のように冷酷になった嫻貴妃の様子に呆然とした。
 皇后が目を覚ましたと知り、嫻貴妃とお見舞いに向かったが、親友の自分にも会おうとしないことに驚いた。そこで嫻貴妃から、皇后は傅恒の縁談を不満に感じていることを聞かされた。さらにその後、承乾宮に向かい、皇后はもう懐妊することが難しいということも知る。以前、老いたら皇后の子を頼りに生きると嫻貴妃に語っていたが、子どもがいなくては後宮暮らしは寂しいと諭され、複雑な表情を浮かべた。

 

玉壺
 純妃の娘時代から蘇家に仕え、侍女をしていた。すでに輿入れが決まった主が万が一にも傅恒と恋仲になってしまわぬよう、預かった恋文をこっそり破り捨ててしまった。その後、親友が正室になることでようやく輿入れに前向きになった純妃に、真実を打ち明けることができず、それが元で勘違いをさせてしまった。それを責められるも、すべては純妃と蘇家のためだったと主張し、傅恒のことは忘れて乾隆帝からの寵愛を得て地位を固めるべきだと説得した。
 嫻貴妃がやってくると涙を拭い、純妃にも平静を装うように急かした。連行されてきた劉女官が、純妃の命令で瓔珞を陥れたと証言すると、動揺する純妃の代わりに強い口調で濡れ衣だと反論した。

 

嫻貴妃
 瓔珞を陥れたのは純妃だと証言した劉女官を連れ、純妃の元を訪れた。純妃が濡れ衣だと言うと、嘘を言った罰だとしてその場で劉女官の舌を切った。激しく動揺する純妃の手に触れ、「もう主を裏切るような不届き者はいない」と圧力をかけるように語りかけた。
 皇后の見舞いに向かうが会うことができず、純妃に「皇后は弟の縁談に不満なのだ」と知らせた。さらに承乾宮に招き、皇后はもうご懐妊できないらしいとも話した。皇后を頼りにしてきた純妃に、寂しい後宮暮らしにおいて自分の子どもを持つことは重要だと諭し、今からでも遅くないと、暗に皇后を裏切るように唆した。

 

富察皇后
 長い昏睡期間を脱し、ようやく目を覚ました。足が動かないことに焦りつつも、侍医を呼ぼうとする明玉に傅恒を呼ぶように急かした。見舞いにやってきた乾隆帝に、昏睡している間も耳は聞こえていたと話した。傅恒がやってくると、爾晴との縁談について責め、なんとしても撤回しなくては自分と瓔珞だけでなく、爾晴までも不幸にしてしまうと説得した。しかし彼が撤回する気がないと知ると、抗議のために食事も摂らず、誰にも会おうとしなかった。
 乾隆帝がやってくると、直接、傅恒の縁談の撤回を求めた。皆が喜んでいるのになぜだと返されると、逆になぜ傅恒と瓔珞の仲を引き裂くのかと尋ねた。乾隆帝が瓔珞を罵ると、本当は自分が彼女を娶りたいからだろうと指摘した。動揺した乾隆帝が去ろうとすると、椅子から転げ落ちても懸命に引き留めようと抗議を続けた。聞き届けられないと明玉にすがりつき、痛々しく涙を流した。

 

乾隆帝
 皇后が目覚めたと知り、真っ先に見舞いに訪れた。足が動かないことを気にする皇后に、時間が経てば治ると励ました。傅恒がやってくると政務に戻ろうとしたが、縁談のことを考えてか戸惑いの様子を見せた。
 食事もとろうとしない皇后を心配し再び見舞いにやってきて、優しく何を考えている?と尋ねた。傅恒の縁談の撤回を求められると顔色を変え、期待する傅恒に瓔珞のような悪女は釣り合わないと、断固として承諾しようとしなかった。しかし皇后から「本当は瓔珞を気に入っているのでは?」と指摘されると動揺し、皇后が椅子から落ちても振り返りもせず、立ち去ってしまった。

 

傅恒
 姉が目覚めたと聞き、息を乱しながら急いで見舞いに訪れた。爾晴を娶ることを撤回するように責められると、もう勅旨も出ているため、今さら撤回すれば富察家の名声も落ち、爾晴にも恥をかかせてしまうと語った。この婚姻は一生の幸福に関わる問題だと問い詰められたが、もはや後戻りはできないと皇后の元を去ってしまった。

 

明玉
 傅恒と瓔珞のために、乾隆帝に逆らうようなことをした皇后の姿を見て、傅恒本人を説得しようと侍衛処を訪れた。しかし、冷静な海蘭察と口論になり、腹いせに蹴りを食らわせながら「男はみんなくずだ!」と罵った。追いかけてきた海蘭察に、なぜ他人事なのに泣くのかと問われると、傅恒のような臆病者を好きでいたのが腹立たしいのだと返し、笑われてしまった。そのまま彼に手を引かれるまま、見晴らしの良い楼閣に連れて行かれ、彼は恋愛や婚姻よりも、武将として歴史に名を残したいと考えていることを知った。壮大な志を持った彼から「目先の問題も、10年も経てば大した問題ではなくなる」と聞かされると、ようやく晴れやかな顔を見せた。

 

海蘭察
 乾隆帝から命じられた婚姻を撤回させようと傅恒を訪ねてきた明玉に対し、冷静にそれは無理な話だと話し怒らせてしまう。彼女が泣きながら立ち去ると思わず追いかけ、なぜ他人事なのにそこまでするのかと問いかけた。彼女を励まそうと見晴らしの良い場所に連れて行き、自分は戦場で活躍して後世に名を残すという志のため、一生妻を娶るつもりはないと話し、男女の愛などそう重要ではないだろうという持論を語った。そして、10年もたてば何事も笑い話になるのだから笑ってやり過ごせ、と明玉を励ました。

 


メモ

緑豆糕
 中国の伝統的なお菓子(ケーキ)。古代では健康を願って端午の節句に食べた。

 

銀耳
 白きくらげ。とても貴重な食材で、薬効も高い。茹でてから冷水に浸し、主にデザートに使われる。

 

「君が心の我に同じなれば~」
 北宋時代の詩人・李之儀の『卜算子·我住长江头』という詩の一節。只願君心似我心,定不負相思意。長江の源流付近に住む主人公が、長江の末流付近に住む恋人を想い、遠くて会うこともままならないが、ただただ自分の心とあなたの心が同じであることだけを願っています、私はあなたの想いに決して背きませんから……という意味の詩。

 

惜薪司
 明の時代、薪や炭を管理する機関だった。清の時代になると营造司(営造司)と改名され、薪や炭以外にも木や鉄なども管理し、宮殿の修繕に携わる機関となった(翻訳不安)。烧炕处は3つある下部組織のひとつ。