瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第二十五話・真の下手人

要点・見どころ

1.真の下手人

 

あらすじ

前半・・・乾隆帝は和親王を罰することに躊躇していた。ならば瓔珞を秘密裏に消してしまえば良いと李玉が助言するが、乾隆帝は悩むばかり。そんな中で裕太妃は息子を救おうと、瓔珞に直接謝罪して許しを請う。しかし、彼女は決して応じようとしなかった。そしてある日、瓔珞は何者かに襲われる。傅恒が助けてくれたため大事には至らなかったが、これは和親王乾隆帝が口封じをしようとしたのだろうと憤る。傅恒がその可能性を否定すると、瓔珞の頭にはすぐさまひとりの人物が思い浮かんだ。

後半・・・瓔珞が改良した氷鑑は宮中で評判となり、やがて裕太妃も使い方を教えて欲しいと本人を呼び出した。しかしそこにいたのは、いつもの優しい顔ではなく鬼の形相をした裕太妃だった。裕太妃は瓔珞に阿満を殺した真犯人を明かしたうえで、父親や一族を人質にして泣き寝入りを強要する。姉の敵討ちか、一族の命か……。重すぎる難題を前に珍しく思い詰める瓔珞に、皇后はそっと手を差し伸ばす。そして、すべてがかみ合う“時”が来るまで、耐え忍んで待つことも必要だと教え諭すのだった。

 

登場人物

魏瓔珞
 裕太妃から直々に頭を下げられるも、謝罪されても姉は生き返らないし、公平な裁きを訴えて乾隆帝を怒らせた自分をかばってくれた皇后のためにも、和解には応じられないと拒んだ。その後、何者かの襲撃を受けると、最初は和親王乾隆帝の仕業だろうと考えたが、傅恒の意見を聞いて裕太妃が黒幕だと判断する。襲われた仕返しと反抗の意を伝えるため、氷鑑の中に人間の手(本物?襲撃してきた太監の?)を忍ばせて裕太妃に送り付けた。
 暑さに弱い皇后のため、低温を長く保てる漆塗りの氷鑑を編み出した。乾隆帝にも気に入られたが、和親王のことで遠回しに釘を刺されてしまう。そこで乾隆帝の好物である葡萄を冷やした氷鑑を養心殿に贈り、乾隆帝が葡萄をお茶と一緒に食べて下痢するように仕向け、こっそり憂さ晴らしした。
 裕太妃に呼び出されて軟禁されるも怯まず、姉を殺したのだろうと追及した。しかし、父親や一族を皆殺しにすると脅され、仕方なく長春宮に戻った。爾晴たちから吃巧節の遊びに誘われるも、裕太妃の言葉に動揺して手が震えてしまう。日が暮れるまで挑戦するが成功できず、打ちひしがれているところへ皇后から、「時には耐え忍んで待つことも必要だ」と諭される。

 

傅恒
 瓔珞が襲われているところへ駆けつけ、華麗な立ち回りで彼女を助けた。和親王は昏睡しているため手を下せる状態ではなく、乾隆帝ならばもっと隠密にすんなりと瓔珞を消すだろうから、少なくとも黒幕はこのふたりではないはずだと瓔珞に語った。
 侍衛処に隠されていた香り袋を、瓔珞のものではないと一目で見抜いた。ぞんざいに扱いながらも、送り主に失礼だといって海蘭察に譲ろうとはしなかった。

 

乾隆帝
 嫌われ者の和親王を公平に処分しなくては、他の皇族から非難されてしまうと理解しながら、躊躇していた。その思いの背景には、かつて皇位争いで兄から毒を盛られた際に、和親王が誤ってその毒を食べて虚弱体質になってしまったことに対する負い目があった。かと言って瓔珞を秘密裏に消すことも良心(?)が許さず、ひとまず和親王の体調が回復するまで処分を先延ばしにすることにした。長春宮を訪れ、その旨を皇后を通して瓔珞に伝え、身勝手な行動をしないようにと釘を刺した。
 瓔珞が改良した氷鑑を気に入り、自分と皇太后の元にも置くことにした。しかし瓔珞の罠で、好物の葡萄をお茶と一緒に食べ過ぎてしまい、お腹を壊して散々な目に遭った。

 

李玉
 和親王を罰することができない乾隆帝に、ならば事件の唯一の証言者である瓔珞を秘密裏に消し去ってしまえば良いだろうと助言した。
 お腹を壊した乾隆帝のため、てんやわんやになりながらおまるを運び入れた。

 

葉天士
 瓔珞から授かった策が成功し、ようやく診察の仕事をさせてもらえることになり喜んでいた。乾隆帝が突然の腹痛を起こしていることを知ると、もしかしたら好物の葡萄とお茶が原因ではと怪しんだ。
 瓔珞が襲われたとき、巻き込まれて何者かに拘束されていた。

 

張院判
 乾隆帝から、葉天士に嫌がらせをする侍医がいるようだから教育しなおせと命令され、告げ口をしたのだろうと葉天士を問い詰めた。しかし事実ではあったため、彼にもまっとうな侍医の仕事を与えることにした。

 

爾晴
 瓔珞が裕太妃に呼び出されて出かけたことを皇后に報告した。皇后が心配して追おうとすると、それは裕太妃に対する侮辱になってしまうと言って止め、賢い瓔珞なら大丈夫だと言い聞かせた。瓔珞が戻ると、吃巧節の遊びを一緒にやろうと誘った。

 

富察皇后
 暑さに弱く、瓔珞が用意した西瓜汁や果物を冷やせる氷鑑を気に入って喜んだ。長春宮にやってきた乾隆帝から和親王の処分を先送りすることを聞き、その恩情で彼が反省してくれれば良いと理解を示した。
 瓔珞が裕太妃に呼び出されたと聞き、思わず後を追いかけようとしたが爾晴に止められてしまう。戻ってきた瓔珞がひどく動揺している様子を見て、静かに手を差し伸べた。そして、心を整え“時”が来るのを待つことの大切さを教え、彼女が成功させられなかった「針を水に浮かべる」という遊びを一発で成功させてみせた。

 

太后
 裕太妃から和親王を助けてくれと懇願されるも、もはや打つ手がないと首を振った。その後もしつこく頼まれ、嫌気がさしてあからさまに裕太妃を嫌う。

 

裕太妃
 息子の罪を許してもらうため、皇太后に救済を懇願するも断られてしまい、瓔珞に頭を下げて許しを求めた。それすらも断られると、太監に命じて口封じのため彼女を殺害しようとした。しかしそれに対する仕返しに、瓔珞から不気味な人間の手を送りつけられ思わず悲鳴をあげる。
 頼みの綱である皇太后に嫌われてしまうと、すべては瓔珞が原因だと恨みを募らせ、とうとう仏の顔の下に隠した鬼の顔を露にする。彼女を宮殿に呼び出して拘束すると、阿満を殺したのは自分だと明かし、大事な息子をたぶらかしたのだから当然だと言いのけた。皇后のお気に入りで、かつて乾隆帝の病を治した功のある瓔珞は殺すことはできないが、父親や一族を皆殺しすることはできるのだと脅迫し、自分に従わせようとした。

 

呉総管
 日よけの天蓋をつくるため寿康宮にいたところ、憔悴した瓔珞と出くわす。部下の太監がそれを見て、慈悲深いことで有名な裕太妃にも残虐な裏の顔があるのではと面白がると、後宮で生き残りたくば思っても口に出すなと警告した。

 

明玉
 手作りの香り袋を傅恒に贈るため、こっそり侍衛処に隠した。しかしそれを海蘭察が持っていることに腹を立て、ケンカのすえに自分の手を痛めてしまう。踏んだり蹴ったりの怒りを瓔珞にぶつけ、自分の方が先に傅恒を好きになったのだと主張した。

 

海蘭察
 手の込んだ香り袋を見つけ、瓔珞が傅恒に贈ったものだろうと勘違いしてからかった。しかしそうではないとわかると、香り袋を持っていないからという理由で強引に横取りした。それが原因で明玉とケンカになってしまい、身体的にも精神的にも彼女を傷つけてしまった。

 


メモ

金水河
 紫禁城内を流れる川。単に景観を良くするためだけでなく、火災を防ぐためや雨水などを城外に排出する目的があった。“金”というのは方角を五行(木火土金水)に当てはめたときの“西”で、その名の通り宮中の西側を流れている。

 

蓮のお菓子
 荷花酥he hua su。杭州の伝統的なお菓子。小麦粉で作った皮に、ナツメやココナツなどの餡を包んで蓮の花の形にして揚げたり焼いたりしたもの。金水河から採ってきた花を使った……というのは、蓮の実の餡(蓮蓉餡)を使ったということ?

 

三兄上
 愛新覚羅弘時。乾隆帝の異母兄。史実では、子どものころからワガママだったため雍正帝は彼に対して厳しく、養子に出して紫禁城から追放し、皇族の系譜からも削除した。

 

西瓜汁
 その名前通り、スイカの果汁のジュース。夏にピッタリの爽やかな甘さで、利尿作用があるためむくみをとってくれる。美容にも良い。ただ、瓔珞が言うには体を冷やしてしまうため飲みすぎには注意が必要。

 

氷鑑
 冰鉴bing jian。古代の冷蔵庫のようなもの。2千年前(春秋戦国時代頃)には、氷室から出した氷を入れて貴族たちの屋敷に置き、食べ物や飲み物を冷やしたり、冷気で涼んだりしていた。瓔珞は暑さに弱い皇后のために、保温効果のある漆塗りにして、なるべく長く低温を保てるように工夫した。故宮博物館には、乾隆帝の時代に作られた琺瑯の氷鑑が所蔵されている。

 

葡萄とお茶
 どちらも腸の動きを活性化させるので、一緒に摂るとお腹が緩くなってしまうらしい。

 

陳皮
 蜜柑の皮。風邪の諸症状や冷えに効く漢方薬。葉天士は皇后の暑気あたりを改善するために処方した。

 

窓紗
 カーテン。おそらく暑さをしのぐための日よけ。

 

吃巧節(乞巧奠)
 七夕。古代中国では機織りが得意な織姫にあやかって、女の子の裁縫の腕が上達するのを祈るお祭りだった。現代では、織姫と彦星の伝説にちなんで恋人の日(日本のクリスマスのような雰囲気)なのだとか。短冊に願い事を書くのは日本独自の風習。

 

傅恒の立ち回り

 いやもう正直めちゃくちゃベタな少女漫画展開ですけど恰好良すぎですよね。