瓔珞迷<エイラク・ミイ>

瓔珞<エイラク>ファンの自己満足メモです。

『瓔珞』第二十一話・消えた“仏の蓮”

要点・見どころ

1.瓔珞と明玉の和解? 2.皇后の美しい舞

 

あらすじ

前半・・・“仏の蓮”を持ち去ったのは舒貴人に違いない。宴が終わる前に取り戻さなければ、厳罰は免れられない。そこで瓔珞は自分を嫌う明玉に協力を打診し、宴で余興の手品だと称して仏の蓮を取り返した。しかし舒貴人はその夜、乾隆帝から夜伽に召されていた。そこで瓔珞と明玉は再び協力し、その邪魔をして一矢報いようと企む。懇願して皇后に美しい衣装を着て舞を舞ってもらうと、噂を聞きつけてやってきた乾隆帝はすっかり魅了され、舒貴人のことなど忘れてしまった。

後半・・・皇后の美しい舞はあっという間に後宮中の噂になり、女官たちも真似をして遊びだす始末。しかし、その舞のせいで夜伽の機会を奪われた舒貴人は面白くない。高貴妃からの信頼を得るためにも、舒貴人は皇太后の皇后に対する信用を削ごうと考えた。そして皇太后と皇后たちが遊園を楽しむ最中、事件が起こる。皇后の真似をして遊んでいた女官が転落死したというのだ。瓔珞はすぐさま策略だと見抜き、女官は高貴妃が得意にしている『貴妃酔酒』を真似していたのだと偽装した。


登場人物

魏瓔珞
 紛失した仏舎利は舒貴人の手元にあると睨み、明玉と協力して宴の余興の演目を変更してもらい、大道芸人から教わった手品だと称して仏舎利を取り戻した。しかし舒貴人は待望の夜伽に召されたためにご機嫌で、瓔珞たちを馬鹿にする。そこで再び明玉と協力し、舒貴人の夜伽の機会を奪おうと企んだ。かねてより皇后の夜伽の機会を増やすために制作していた美しい衣装を着せ、舞を見せて欲しいと頼み込み、その噂を乾隆帝の耳にも届くように広めさせた。思惑は大成功に終わり、涼しい顔をしながらもすっかり自分も舞に魅了されてしまったようだ。
 女官が転落死するとすぐに舒貴人の策略を見抜き、女官の顔を赤く染め、高貴妃の舞を真似していたように偽装した。

 

明玉
 仏舎利を紛失した過失を珍珠に押し付けようとしたが、瓔珞が取り戻すために協力を申し出ると渋々承諾した。おかげで仏舎利を取り戻せたが、舒貴人に軽んじられて憤り、再び瓔珞に協力することにした。策が成功したこともあって、少し瓔珞とも打ち解けたようだ。

 

珍珠
 花火を見に出た隙に仏舎利が盗まれ、自分が悪いのだと己を責めていた。瓔珞に諭され、目撃した人影が舒貴人だったと思い出す。
 皇后の舞を見てすっかり魅了され、真似をして遊んでいたため瓔珞に叱られた。

 

爾晴
 瓔珞や明玉とともに、皇后をおだてて舞を舞ってもらった。瓔珞が用意した衣装は舒貴人への復讐のためではなく、かねてより皇后を助けるために制作していたと見抜いた。

 

富察皇后
 万寿節で山水画を贈っていたが、それは皇后が美女画を贈るのは品位に欠けると判断したからだった。それだけ品格を大切にしているだけあって、なかなか洛神の衣装を着ようとしなかった。しかし無理やり着せられた挙句、女官たち総出でおだてられ、仕方なく皇后になってから控えていた舞を披露した。おかげでその夜は乾隆帝と熱い夜?を過ごすことができた。
 皇太后からの信頼も厚いが、危うく舒貴人の罠でそれを裏切ってしまうところだった。瓔珞の言う通り、事件に関わった女官を尋問することにした。

 

乾隆帝
 舒貴人を夜伽に召しておきながら、長春宮に仙女が舞い降りたという噂を聞いてそちらに向かう。普段とは雰囲気の違う皇后に見惚れ、そのまま長春宮で夜を過ごした。

 

太后
 御仏への礼拝のために滞在していた暢春園から紫禁城に戻り、皇后たちと遊園を楽しんだ。瓔珞が、転落死した女官は高貴妃の真似をしていたと嘘の説明すると、怒って宮殿へと戻ってしまった。
 仏塔を贈ってくれた舒貴人に初めて会ったような反応だったが、確か碧螺春を差し入れたはずでは……?

 

高貴妃
 貴妃になってから慎んでいたはずの芝居や歌舞を、『涙の舞』以来、遠慮なく嗜むようになったようだ。宮中でもすっかり噂になっているらしい(瓔珞の嘘?)。
 皇太后の庭遊びに皇后とともに付き添い、皇后を尊敬していると口先だけ述べた。瓔珞に転落死した女官が自分の真似をしたと仕組まれ、憤ったが覆すことはできなかった。

 

舒貴人
 瓔珞たちを陥れるため仏舎利を持ち去ったが、隠し持っていたことを見抜かれて取り戻されてしまう。しかし待望の夜伽に召されていたため気にも留めず、ご機嫌で湯あみをして準備をした。それも結局、瓔珞に邪魔されてしまったため、再度陥れる策を練る。高貴妃の歌劇をヒントに、皇后の真似をしていた女官を転落死したように見せかけたが、瓔珞によって妨害されてしまった。


メモ

雑技
 中国では曲芸や奇術などの芸能を雑技という。その歴史は古く、石器時代にはその芽が見られるという。

 

万寿無疆
 いつまでも健康で長生きをすること。

 

楊玉環
 楊貴妃の本名。中国四大美女のひとりで、音楽や舞に秀でていたという。壁画などから当時の美女の基準を推察するに、豊満な女性だったとされる。玄宗皇帝に愛されたものの、安史の乱を引き起こした傾国の美女としても有名。
 安史の乱は、楊貴妃に取り入って出世した安禄山楊国忠の対立が原因。安史の乱がきっかけで唐は衰退し、楊貴妃はその責任を問われて殺されてしまう。

 

趙飛燕
 前漢の成帝の皇后。出自は卑しかったが、歌舞と美貌で見初められて後宮入りした。“环肥燕瘦(環肥燕痩)”という熟語があるが、豊満な楊貴妃と華奢な飛燕どちらも美しかったため、「女性の体形はみな違うが、それぞれ良さがある」という意味。

 

寿陽公主
 宋の武帝の娘。ある日、梅の木の下でうたた寝をしていたところ額に花が落ち、拭ってもとれなかった。それを見た宮女たちが、額に梅の花を描いた化粧をするようになったという。

 

嫦娥
 中国の神話に登場する月の仙女。地上に降りた際に不老不死ではなくなってしまったため、夫が女神からもらった不死の薬を盗んで月に逃げて行ったという。転じて月そのものを指すこともあるという。ただ、この場面で高貴妃が歌っているのは、おそらく『聊斎志異』の嫦娥の一説では(第二十二話で詳しく)。

 

納蘭永綬
 舒貴人の父。元々は佐領だったが二年後には一等侍衛に抜擢され、雍正帝が即位すると散秩大臣(从二品)に。その後も、礼部や兵部の右侍郎など重役を勤める(翻訳不安)。

 

延睴閣
 御花園にある楼閣。

 

長生殿
 楊貴妃玄宗皇帝を詩にした白居易の『長恨歌』などを元にした戯曲。

 

覇王別姫
 項羽と虞姫の悲恋を描いた京劇。

 

穆桂英掛帥(ぼくけいえいかすい)
 穆桂英は、『楊家将演義』という北宋時代に活躍した武将・楊業とその一族の物語(小説)に登場する、代表的な女武将。小説ではあくまで脇役だが、京劇などでは彼女が主役の物語が多くあり、小説では死んだ後に起こった戦いに一族の寡婦集団の元帥として参戦するという物語もある。おそらくそれでは。